ゲームレビュー:RiME

ゲーム

最近、かなり暑くなってきてますね。皆さんも、体調にはお気をつけて。

 

それはさておき、懲りずに4回目のゲームレビューです。

今回は、パズル系のゲームのレビューであるため、

ネタバレしても構わない方のみ閲覧してください。

 

今回のレビューは、Grey Box製作の『RiME』です。

ジャンル:パズル/アドベンチャー

お値段:3780円 (ニンテンドーeショップ)

 

このゲームは、嵐に遭い、不思議な島に漂着した少年を操作して

進めていきます。

 

・・・・・・・・・・・・。

 

 

このシーンは、『左スティックを動かす』ことが正解です。

操作をしない限り、主人公は起き上がりません。

左スティックは主人公を操作するために使います。

 

チュートリアルなら、『左スティック:移動』と出てきますよね?

常識の操作とは言え、せめて表示くらいはしてくれ。

このゲームが初めて遊ぶゲームの人もいるはずでしょうに・・・・・・。

 

なお、チュートリアルは一切ありません

どの操作も、自分で動かして覚えろというスタンスのようですが、

『ユーザーに”遊ばせること”を前提にしていない』ともとれます。

 

ここに限らず、どうも全体的に説明不足な場面が多いんですよね。

特にストーリーと仕掛けについて。

 

ちなみに、これが操作方法です。

昨今のゲームとしては珍しく、L・R(ZL・ZR)ボタンは使いません。

逆説的に言うと、やれることは少ないということですが。

 

このゲーム、そこそこボリュームあるんですよ。

それだけに、終始やることが似てきてしまうんです。

パワーアップもありませんからね。

演出でどうにかこうにか誤魔化してはあるのですが・・・・・・。

 

このゲームはジャンプ、持ち上げ、飛び移りなどを駆使して進みますが、

もっとも重要なアクションは一部の場面でのみ解禁される『シャウト』です。

 

一部の場面というのは、オープニングが終わった直後の海岸周辺、

『青い石像』の近く、燭台の近く、『光る玉』が近くにある時などです。

 

特定のオブジェクトに向かって『シャウト』を使うと仕掛けが動いたり、

篝火が強くなって光源を確保できたり、『光る玉』を消費して周囲の仕掛けを

作動させたりなど、とにかく用途が広いアクションです。

 

しかし、このアクションは主人公が反応するオブジェクトの方を向いていた

としても、カメラの視界内にオブジェクトが収まっていない場合は、

”その物体が存在しないもの”とみなされ、アクションが起こりません。

(ごく一部が映っていれば反応はする)


※補足

『取る』『持ち上げる』『シャウト』など、物体への干渉をするアクションは

『対象に近すぎると反応しにくいことがある』という問題もあります。


 

場所によっては『歌う』というアクションに変わりますが、効果は

ほぼ同じです。ただし、理由がよくわかりません。

 

そのシチュエーションが、『暗い迷路にある石像に歌って光らせる』

というものであり、これにどういう意味があるのかという疑問が湧きます。

(他にも『歌う』アクションをする場面はある)

 

洋ゲーに多い、『プレイヤーが勝手に考察してくれ』という要素とは

思いますが・・・・・・。

 

この少年がなぜ、ここまで過酷な冒険をすることになったのか、

その理由がラストシーンでようやく理解ができましたが、

少年の『声』にだけ反応する仕掛けの意味や、一部の場面で『歌う』

アクションをとること。

この点だけはどうしても理由がわかりません。

 

とりあえず、収集要素を集めればわかってくるかもしれませんが、

このゲームは『オープンワールド風』のスタイルをとっていて、

一つのチャプターをクリアするまで、それなりに時間がかかります。

 

このゲームはゼルダで例えると、『風のタクト』の島を数十倍大きく

広げたような地形を舞台にしています。

その舞台の上でパズルを解いたり、収集要素を探していきます。

 

しかし、同じチャプター内であっても一方通行になっている箇所が

ちょくちょくあり、チャプター選択はそのチャプターの始めからしか

スタートできないという仕様のため、何を、どのあたりで取り逃したか

わからないという問題があります。(しかも、チャプター選択はクリア特典)

 

一応、チェックポイントからやり直すことはできますが、

大きく戻ってやり直すことはできません。『少し前のところから』です。

ちなみに、一度中断して再開する場所は、最後のチェックポイントからです。

 

また、ムービーシーンはスキップできません

この問題は、タイトルの時点ですでに発生しています

(ロゴが波に晒されて変わるという演出を40秒近く見せられる)

 

ゲーム中、スキップしたいほど長いムービーは数えるほどしかありませんが、

収集要素のために何度もやり直していると、さすがにうんざりしてきます。

 

考察や収集要素の為に周回プレイをすることが前提のようですが、

上の要素が邪魔をして、なかなか集めようという気分になれません。

 

これはゲーム中のイベントの一部分です。

少年がキツネとの触れ合いを試みるシーンですが、字幕による

セリフなどはありません。

 

このゲームは根本的な部分が『LIMBO』というゲームに似ています。

雰囲気が全然違うと思うかもしれませんが、そういうことにしてください。

 

そちらとの大きな違いは、立体的なフィールドを進んでいく

3Dアクションであり、また、主人公が”声を出すこと”が進行上の

要となっています。

 

『LIMBO』はボイスもセリフも無いことが雰囲気とマッチしており、

多少感情移入はしにくいものの、違和感は少ないです。

 

このゲームは主人公に表情があり、動作にボイスが付けられています。

しかし、ゲーム中に一切セリフが無いことで感情移入がしにくく、

ラストシーン以外での印象が薄くなってしまっています。

また、歌うことはあるのにセリフが無いというのも違和感があります。

 

マリオシリーズやゼルダシリーズなども主人公は字幕によるセリフが

ほとんどありませんが、他のキャラクターが状況をしゃべったり、

主人公の代弁者がセリフを言うことで、『しゃべらない』という個性を

表現しています。

 

このゲームは会話ができそうなキャラクターが主人公だけなので、

テキストで心情を表すことがかなり有効に思えるのですが・・・・・・。

それをしないことで、主人公が『無個性』になってしまっています。

 

『表向きには明るい雰囲気がある。しかし、バックストーリーは・・・・・・。』

ということを演出したいのでしょうが、心情が字幕で表現されないことが

逆に説明不足過ぎて道中が理不尽に感じました。

 

ラストシーンはセリフが無いからこそ印象には残りましたが、ここまでに

主人公に対して感情移入できなかったので、そこまで衝撃的ではありません。

 

ゲーム中も、突然『Y』『X』だの出して、どういうアクションを取るのか

テキストによってプレイヤーに教える気が無いので

インターフェイス上の細かい不親切さも悪く目立ちます。

 

イベントやマップの演出は決して悪くはありません。

しかし、重要なシーンで盛大な処理落ちをしてしまっている

場面があることが、不当に評価を下げてしまっていることは否めません。

 

また、そんな処理落ちの中で壮大すぎるBGMが流れる場面があり

思いっきり演出を台無しにしてしまっている場面もありました。

 

ここはチャプター1の終盤辺りの場所ですが、周りは海ばかりなのに

めちゃくちゃ動作が重くなります。

 

他にも、ちょっとカメラを回すだけで重くなったりする場所も目立ちます。

 

また、カメラワークもかなり調整不足が目立ちました。

例えば、この窓から登ると、いきなり外からのカメラ視点に

切り替わり、誤って塔内の奈落に落ちるということがありました。

 

また、何の前触れもなくいきなりカメラが固定されて

操作を誤るという場所がいくつもありました。

リトライが速いとはいえ、地味にストレスが溜まってしまう仕様です。

 

とりあえず、そろそろ自己評価をしていきます。

―― 評価高 ☆ ◎ ○ △ ▲ × 評価低 ――

  • ストーリー  : 〇 (※感受性次第)
  • キャラクター : △ (※感受性次第)
  • システム   : ▲
  • 音楽     : ◎
  • ゲームバランス: 〇 (※判断力次第)
  • 値段     : △

 

全体的に、雰囲気だけなら決して悪くはないゲームであったとは思います。

 

しかしながら,説明不足な描写や、不親切なカメラや操作性、

最適化不足による処理落ちなど、『良作となりうる要素』

自らかなぐり捨ててしまっているという印象を持ちました。

 

チャプター1のものばかりですが、本当に雰囲気はいい感じなのです。

1周目ではわかりにくいものの、ラストシーンの伏線もちゃんと

そこまでのゲーム中に表現されています。

 

しかし、肝心のストーリーの伝え方がかなり下手であったと思います。

(そもそも、テキストでプレイヤーに教えようとしていない事など)

 

それと、このゲームのアクションの説明に、ゼルダの『アタック』の

ようなものがあります。(移動しながらAボタン)

 

しかし、これを使っても移動速度が上がらず、仕掛けを解くことにも

使えない死にアクションになってしまっています。

 

グラフィックは『風のタクト』をイメージしていて、アクションも

それっぽいものを採用したのかもしれませんが、中途半端に真似たせいで

まったく存在意義を見出せません。

 

繰り返しになりますが、雰囲気はいいのにシステム面で大きく損をした

ゲームであったと思います。

 

独特の雰囲気があるので、ハマる人はハマるかもしれません。

気になる方は、購入してみてもいいと思います。

 

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