・前回のあらすじ
順調にB2Fの探索を進めていたアステリアだったが、あまりにも強大な魔物の攻撃で
お葉が生死の境をさまよう重傷を負ってしまい、退却を余儀なくされた。
・前回⇩
https://kimagure-azuma.jp/play-sq3r-7/
>アーマンの宿:アステリアの部屋
「い、痛……、やっぱりまだ痛むか……。
ん?これは……手帳?」
>お葉は手帳を開いた。
そこには、たくさんの人名が綴られていた。
「これは……、なにかの名簿?
キルシェさんと同じ苗字の人もいるけど、キルシェさんの名前は無い……」
「お葉、傷の具合はどうですか?」
「姫様……。少し痛みはありますが、大丈夫です。
それよりも、買い物をしに行ったのでは?」
「ここ最近は気を張りすぎて疲れてしまいましたから、
姉上たちにお任せして部屋で休むことにしましたの」
「そうですか……。あの、もしかして忘れ物をしませんでしたか?」
「おや、わたくしとしたことが。感謝いたしますわ、お葉」
「すみません。どなたのかわからなかったので、中を見てしまいました」
「……そうですか」
「……あの、そこに書かれている方たちはいったい?」
「わたくしの『護り神』……といったところでしょうか。
しかしお葉、まだ安静にしてなくてはいけませんよ」
「なんだか落ち着かなくて……。お気遣い感謝します」
「夜の探索のために、今はゆっくり体を休めるのですよ」
>数刻後……
「……」
(だ、ダメだ、どうしても落ち着けない! 隣で姫様が下着姿で、
首で逆立ちをしながら座禅を組んでいるのが気になりすぎて……!!)
「ねえお葉……、ほんとに大丈夫なの? なんかすごい顔色悪いけど」
「無理しないで」
「いや、その……、座禅が……やっぱりなんでもないです」
(ああ、アレを見ちゃったのか。まあ、そういう反応になるわよね)
「お葉が病み上がりなので、今回は軽く探索して切り上げますわよ」
「は、はい……」
「……今回は地図描くの、代わってあげるから」
「あっちを見たりこっちを見たり、地図描くのって大変ね……」
「キルシェさん。そろそろ落ち着いてきたので、交代しましょうか」
「分かれ道……、どっちにしよう」
「ここまではほぼ直線だったから、あえて曲がってみない?」
「それでは、そのようにしましょうか」
「む、ここに抜け道がありますわね」
「さっきから、抜け道が妙に多い気がするわ」
「この反対側には何があるんでしょう」
「あのFOEとかいうのが犇めいてそうで想像もしたくない……」
「ここ、なにかいいのがありそう。あっ、この木の実は熟してる」
「ふむ、ここでは花や果実を収穫できそうですわね」
「そういえば、商店のクエストに必要なのがありましたっけ」
「プレール、小さな花というものを探してみて」
「えーっと、これでしょうか?」
「ええ、これよ。さすがね、プレール」
「こっちの木の実はテリアカβの材料みたいです。
これで、迷宮での生存率は格段に跳ね上がりますね」
「この採集ポイントは非常に重要な場所になりますわ。
地図にしっかり記録してください」
「……来るときは気付かなかったけど、ここにもあるのね」
「この階層は予想以上に複雑そうですわね。
北の道を少し覗いてから帰還しましょう」
「えーっと、ここは曲がり角で、折り返しで……」
「……!! お葉、右手に敵影あり!総員、直ちに戦闘態勢!」
「えっ……?う、うわあ!?」
「FOE!?ちょっと、ヤバいんじゃないの!?」
「狼狽えないで!総員、各隊列を維持しなさい!」
「あわわ……」
「なるほど。こうやって戦闘に入るまでは正体がわからないのですか」
「このひどい匂い……、毒使いね。
シグドリーヴァ、今の消耗度合では勝ち目が薄いわよ」
「ええ、無論ここは撤退しますわ。お葉!今こそあの技を!」
「え!?し、しかしこの技はまだ……」
「きっと成功します!信じていますわよ、お葉!」
「はら、はやく!」
「わ、わかりました。行きます!」
「や、やった。成功したみたいです」
「さすがですわ、お葉!」
「かんいっぱつ……」
「相対した感覚では、もう少し実力をつけて五分といった所かしら」
「姉上に同意ですわ。我らはまだまだ修行が足りませんね」
「……」
>街に帰還する道中……
(また逃げることしかできない……。
本当にこんなことでいいのか、ボクは……?)
(……)
「さあ、店主さん!ご依頼の品物をお納めくださいませ!」
「うちが選んだ、とびっきりですよ」
「もうできてしまったの?すごいわね」
「でも、ネクタルって結構な高級品でしたよね。
そうおいそれと買えないでしょうに」
「酒場のあのご主人を小娘呼ばわりだなんて、彼女はいったいいくつ……」
「ほらそこ、野暮な詮索はしないの」
「やぼな、やほうず……。ぷっ」
「……プレールさん。やほうずではなく野放図と読むんですよ」
「あ、やっとツッコんでくれた」
「マスター、店主さんに無事お届けしましたわ!」
「報酬は鍛冶用のハンマーね」
「あれ?マスターさんの方も店主さんを小娘って呼んでる」
「どっちかっていうと店主さんのほうが年下に見えるけど……」
「こ、この件はこれ以上触れないほうが良さそうですね」
「このハンマーは電撃の印を付けられるみたいだけど……」
「えーと、説明書きによると、雷属性による追撃ができ、
印ひとつにつき攻撃の基礎威力が1割ほど補強されるようです」
「うまく使えば戦力の補強になりそうですわね」
「おみやげ屋さん、すごい品揃えでしたね」
「交易が盛んだっただけあって、見たこと無いのばかりで楽しかったわ」
「交易……。そうですわ、明日は船で航海に出てみましょうか」
「そうね。資金もできてきたところだし、そうしましょう」
「……あの、ボクは迷宮の方を探索したいと思うのですが」
「お葉。今のあなたの心に強い焦りを感じます。
強くなりたいのであれば、一度立ち止まることも必要ですわ」
「……」
「港の主よ、出航の準備をお頼みしますわ!」
「これってなんでしょう。おやつですか?」
「これは船の上での食事用ね。あまりつまみ食いしちゃだめよ」
「いまこそ!大いなる海へ漕ぎ出しましょう!」
「探しなさい!この世のすべてをそこに置いてきた!!」
「テュール様、船が関わると妙にテンション高いですね!?」
「来るときはわからなかったけど、海ってこんなに大きいんだ」
「定期船の時は窓から見えなかったから、改めてすごいと思ったわ」
「えっと、船の操作はどうやるんでしょうか?」
「出航の時に初心者用マニュアルを渡されたから、いま確認してる」
「これが船首の向きを変えるもので、こちらが前進用の装置ですわね」
「帰還装置はこれか。船体が一定の損傷を受けても勝手に発動するみたい」
「うち、ちんぷんかんぷんで破裂しそうです」
「おお。みなさん、あれをご覧なさい」
「改めて見てみると、本当にすごいものですね」
「あの時はじっくり見れなかったもんね」
「あの下に迷宮があるんですよね。不思議な感じです」
「ほんとねぇ。人間がいかにちっぽけか、考えさせられるわ」
「では、行きましょう!『ヘルクレス』発進!」
「おー!!」
「大海王に、わたしはなる!」
「な、なんかそろそろ怒られそうなのでやめてください!」
・続き⇩
https://kimagure-azuma.jp/play-sq3r-9/
・詳細なキャラ設定⇩
https://kimagure-azuma.jp/sq123r_chara/
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