・前回のあらすじ
B19Fの探索を切り上げ、帰還したアステリア。
そして、魔物の討伐大会へと参戦する流れとなった。
・前回⇩
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第5階層のネタバレが含まれます
「退屈しのぎで危険な樹海で魔物を倒しまくれとか……」
「うでが鳴ります」
「ガンガンその腕を振るってね、プレール」
「姫様、もしかして大会の報酬がお目当てなんですか?
品物自体は商店でも買えるようなのですが……」
「いいえ。別にそれがどうしても必要だから、ということではありません」
「それじゃあ何なの? 迷宮の探索を棚上げしてまで参加しようだなんて」
「まあ、その話は大会が終わった後にしましょう」
「いざゆけー」
「マスターさんのこのノリも、すっかりお馴染みね」
「そうね。それじゃあ、早速広場に行って説明を聞きましょう」
「ええ、お願いいたしますわ」
「うわ、すっごい注目されてる……! ちょっとくすぐったいわね」
「もはや海都で知らぬ者はいない、といった感じですね……」
「あっ、あの人たちは」
「港のクエストで何度も共闘したギルドもいるのね。
これは恥ずかしいところなんか見せられないわ」
「第3階層で24時間、か……。ふむふむ」
「ふむふむ、じゃなくて……! あの暑さの中で丸一日の耐久!?」
「思っていたより数段過酷な……!」
「お塩のあめ余ってたかな」
(思ったより長いな……。回復薬をもう少し用意しておくか)
「えっと……」
「要するに、下層の魔物とFOEを倒せば得点が増えるということですよ」
「……ってことはさ」
「もちろんB12Fに直行するわよ。どうせなら堂々の1位になりましょう」
「だよねー。……はぁ」
「時間の指定は無く、全てのギルドが揃った時点で開始ですか」
「24時間も戦わなくてはならないので、アムリタの素材を少し
採ってきた方がいいですね」
「最低ラインは30ポイントね。
どうせならば、その10倍くらいは行きたいわ」
「そうですね。しかし、無理のないペースで戦いましょう」
「姫様、一応確認しておきましょうか?」
「いえ、十分です」
「実にわかりやすいルールでよかったわ。いつものように伸び伸びと戦える」
「参加ギルド全体にお付きのギルドの監視員がつくのか。
これだけの人員、エルヴァルって人は本当に大金持ちね」
「個人主催とはいえ、ちゃんと不正への対策はしているのね」
「ポイントの記録も彼らが行うようです。
いちいちメモを取らずに済むのでありがたいですね」
「さっそく行っちゃいましょうか? 狩りたくてうずうずしてきました」
「まあまあ落ち着きなさい、プレール。
B9Fに行くことが大会開始の合図なので、まず第2階層で―――」
「あれ? 姫様、エメリィ殿がいらっしゃいましたが……」
「急なことで申し訳ないが、ギルドから脱退させてほしくて参りました……」
「エメリィ殿……。理由を伺っても?」
「あたしも歳さね……。そろそろ現役を退いて、余生をのんびりと
過ごしたくなっちゃってねぇ」
「そう……。それならば、引き留めることはしません。
ただ、第2階層で採集をしてから、ということでもよろしいですか?」
「かしこまりました……」
>エメリィは足音もなく姿を消す
「あの人とあんまり話したことは無かったけど、脱退するって聞くと
さみしいって思っちゃうわね」
「ボクにとっては師匠にも等しい方だったので、お別れは辛いです……」
「また会えるんでしょうか」
「心配しなくとも、この冒険が終わればまた会えるでしょう」
「……? それって?」
「さあ、採集部隊が帰ってくるまで、街を散策しましょうか」
「ふふ、ご心配なく。お気遣いありがとうございます」
「テュール様、おやつのふくろありました」
「やっぱり、部屋に忘れてたのね」
「……? ええ、とても素敵なところだと思いますよ」
「おなじく」
「おいしいものたくさんあるから大好きです」
「命懸けの冒険じゃなくて普通に観光で来れたらな、って思っちゃうわ」
「あなたは心からこの街を愛しているのですね」
「全部きっちりと終わらせて、またみんなで観光しましょ」
「あら、わたしとしては気の置けない友人のつもりだったんだけどね。
ちょっと心外だわ」
「まあまあ姉上。これも店主さんなりの冗談なのでしょう」
「おっと……?」
「なんか話の雲行きが……」
「はあ、折角しんみりする話だと思ったら……。
でも、貴女が相変わらずな様子で逆に安心したわ」
「では、我々が祖国へ帰るまでにとびっきり上等なお土産品を
用意しておいてくださいね。お母さん」
「おかあさん、おやつください」
「……まさか姫様があのような冗談をおっしゃるとは」
「あたしもあんまり見たこと無かったな。冗談を言うシギーなんて」
「そっか。確かにあたしたち、すごいところばっかり行ってたのね」
「それでも暦の上ではたったの数カ月ほどだったんですね。
まるで何年も経ったような気持でした」
「本当ね。深都より先は、まさに矢のような速さで時が過ぎた感覚だったわ」
「飲み物の注文は……。とりあえずマスターさん、お水を貰えますか?」
「やっぱり、マスターさんと話していると元気が出ますねー。
それれこそ、花嫁修業に身が入るというものです」
「うん……!? ちょっと待ってください、姫様!
花嫁修業!? この命懸けの冒険がですか!? 武者修行ではなく!?」
「ふふふ~、そーですよぉ。お葉、やはりあなたはかわいらしいれすね~」
>シルヴィアはいきなりお葉に抱きつき、頬ずりをする!
「や、やわらか……じゃなくて! 姫様!?」
「いや、船に乗るときに自分で武者修行って言ってたじゃん!?
ってか、ホントにどうしたの!?」
「シグドリーヴァ様、すごくたのしそう」
「まるで酔っぱらってるみたいねぇ。
まだお水しか飲んでないはずなんだけど―――」
>ユーンはシルヴィアのグラスの液体に指を浸し、口に含む
「……って、シグドリーヴァが飲んでるの、お酒じゃないの!
プレール、お水たくさん持ってきて!」
「はい!」
「うう……、まさか水と酒を間違えて飲んでしまうとは……。一生の不覚」
「このウォッカとかいうお酒、まったく匂いがしないんですね……。
えっと……、胃薬もどうでしょうか」
「まったく、本気でビビったわ……。マスターさん、駆け付け一杯とか
言いながらグラス用意してたから間違えちゃったのかしら」
「いや、別の人に出そうとしたグラスと間違えて取ってしまったみたいね。
さすがに5杯の内のひとつだけに間違えてお酒を入れるはずないわ」
「お酒っておいしいのかなー」
「プレール、舐めるだけでも駄目よ。こうなっちゃうんだから」
「ま、まだ頭が……。もう少し休ませてもらいましょう……」
「覚悟……。ええ、信じた未来の先で何が起ころうとも、もはや恐れはしません」
「すでに腹は決まりました」
「英雄……。いえ、我々は『勇者』として戻ってきます」
「港の主よ、どうか我々のためにお祈りください」
(海都に来る前は考えもしなかったな……。覚悟することなんて)
「参加する人たちでいっぱいですね」
「こんなに多くのギルドと一緒に迷宮に入るなんて初めてです」
「……」
>シルヴィアは真剣な目つきで周囲のギルドを観察する
(……ああ、そうか、なるほどね。
シグドリーヴァが何を考えていたのか、ようやくわかった)
「おっと、もう始まりか。さあ、気合入れていきましょ!」
・続き⇩
https://kimagure-azuma.jp/play-sq3r-61/
・詳細なキャラ設定⇩
https://kimagure-azuma.jp/sq123r_chara/
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