・前回のあらすじ
紆余曲折を経てB1Fの地図を完成させたアステリア。
そして、本当の冒険の始まりであるB2Fを目指すのであった。
・前回⇩
https://kimagure-azuma.jp/play-sq3r-5/
「ふむ、鍛冶のやり方はこうですか」
「その武器に使われている素材で打ち直しをするのね」
「付加効果は武器ごとに一定数しか付けられないみたいですね。
どの効果を付けるかはよく考えましょう」
「なんで武器しかできないんだろ」
「金属鎧はともかく、服や靴を炉に入れるわけにもいかないでしょうに」
「うーむ、まさかここにも隠し通路があったなんて……」
「この辺りを繋げると、階段までの直通の通路になるみたいね」
「自然の迷宮なのに、すごくできすぎてない?」
「偶然なのか必然なのか、とても浪漫があるではありませんか」
「さらに下に潜ってきたのに、ちゃんと空が見えますね」
「階層を示すという便宜上、地下と言われているだけですからね」
「ここからは本当にまっさらな状態から地図を描く必要がありますね。
みなさん、気になったものがあったら教えてください」
「……!見たことが無い敵!」
「エビ……かな?食べれる?」
「魔物が見た目で侮れぬのはすでに承知!
前衛は守りに徹し、後衛は弱点を探りつつ攻撃なさい!」
(一撃でも受けきれるかわからない以上、喰らわないようにしないと。
より速く、敵の動きを読まなければ……)
「ラインガードと号令の併用でこのくらいのダメージ……。
油断さえしなければ十分以上に渡り合えそうね」
「守備面は意外なほどに高くなさそうですわね。
集中攻撃で一気に落としますわよ!」
「ん?目の前のこれ、隠し通路じゃない?」
「ふむ……、そうみたいですね。
ということは、他の階でも出口近くに通路があるんでしょうか」
「その傾向にあるというのは確かと思われますわ。
新しい階層では注意しておきましょう」
「なんだか、敵の強さは上の階と同じような感じね」
「しかし酒場での情報によると、B2Fから死亡率が跳ね上がるそうです。
我々は、まだその脅威を知らぬだけでしょう」
「……怖いなぁ」
「アリアドネの糸は買ってあるから、危険な時はすぐ戻りましょう」
「そんな情報がある以上、迂闊に突き進むわけにはいきませんからね。
……なんでしょうか?今、この先から妙な匂いがしたような……」
(……!!?)
「うおぉ!ビックリしたあ!!」
「ぷ、プレールさんの声の方にビックリしましたよ!」
「ちょっと、誰なのよいきなり?」
(わたしとシグドリーヴァですら全く気配を感じなかった……。
この男、相当な手練れね)
「あ、あなたはいったい……」
(……)
「この無礼者が!まずは己から名乗りなさい!」
「ひ、姫様!?もうちょっと穏便に……!」
「あわわ……、大丈夫なの?」
(……動じず、か。)
(特に敵意は感じない……。本当にただ声を掛けただけ?)
「魔物?この先って……」
「な、なんですか?あのもやもや」
「茂みに潜まず、オーラを纏い進路を徘徊する存在……。
もしやあれが、話に聞くFOEというものかしら」
「死地に在りながらそのような判断をする愚か者が多いとは……、実に嘆かわしい」
「ひ、姫様……?」
(今のシグドリーヴァ様、なんだか、すごく怖い……)
「え……!?ちょっと!あんた独りで奥まで行くつもりなの!?」
「ご忠告に感謝いたしますわ!目つきの悪いお方!」
「生きてまたお会いしましょう。目つきの悪いお方」
「ありがとうございました、目つきの悪い人」
「気を付けてねー、目つきの悪い人」
「ちょっとみなさん!失礼ですよ!?
実はいい人だったらどうするんですか!」
「はあ……。とりあえず、彼我の距離はこのようなものでしょうか」
「ね、ねえ。あいつ、こっちに向かってくるんじゃないの?」
「お葉、少し引き返して様子を伺いましょう」
「テュール様。あのえふおーいーとかいうの、ただ往復してるだけなのでは?」
「そうね。となれば、動きをよく見れば回避は容易いということ」
「気配の動き方からすると、あの通路はもう少し続いてそうですね」
「シグドリーヴァ様、FOEの行動範囲だけ色を変えてみましたけど……。
どうでしょうか?」
「ほう、良い工夫ではありませんか。非常にわかりやすいですわ」
「動きの観察はそろそろ十分でしょう。
あれが手前で折り返したタイミングで進みましょうか」
「……動きが単純だとわかっても、半端ないプレッシャーだわ」
「どきどき……」
「ん?あの奥、曲がり角じゃないですか?」
「お葉、よく見えたわね。あそこには何があるのかしら」
「しかし、今は距離が詰まりすぎていますわね。
一旦そこの脇道に退避しましょう」
「あいつ、目の前に立っても襲い掛かる気配すらなかったわね。
……あれ?この奥、今なにか……」
「何か光った気がしますね」
「お宝かな?」
「役に立つものかもしれませんし、少し調べてみましょうか」
(まてよ。さっきの光り方って、……!!)
「みなさん!武器を構えてください!」
「え?どうしたのよ、お葉」
「お葉!敵影の位置を!」
「うえっ、き、気持ち悪いのがたくさんいる……!」
「あ、あわわ、早く武器の準備を……!」
「位置さえわかればこちらのもの……。
お葉、シグドリーヴァ、先陣を切りなさい!」
「む、カエルの親玉のようなものもいますわね。
強さは未知数です!各員油断せぬように!」
「よし、仕留めた!」
「よくやったわ。あとはもう慣れた相手、一気に畳み掛けなさい!」
「お葉の機転により、危なげなく勝利できましたわね。
素晴らしい働きでしたわ」
「と、咄嗟の事でしたが、お役に立ててうれしいです」
「お葉すごいじゃない。あたしはたぶんそういうのできないから」
「この道、かなり奥まで続いていますね。
……あっ、ここは最初の隠し通路の裏側か」
「ふぅん、ここはずいぶんと早く開通できるのね」
「あのFOEとかいうのと鉢合わせしなくて済むからいいじゃないですか」
「こちらの道は行き止まり……というわけでもなさそうですわ」
「ここも直通の通路なのかな」
「上階のパターンと似てますし、可能性はありそうですね。
ここもメモしておきましょう」
「……!新しい敵よ」
「な、なにコイツ?鳥……じゃないし、爬虫類でもない、獣?」
「情報量が多くて分析しにくいですね……。気を付けて戦いましょう」
「がはっ……!ど、毒を持った獣がいるなんて……!?」
「テュール様!ひ、ひどい血が……!」
「くっ、早急に終わらせなくては姉上が……!」
「しまった、もうエーテルが使えない……!?」
「お……お葉、メディカを!ここさえ凌げればそれでいい!」
「プレール!集中して照準を合わせなさい!」
「テュール様!急いで毒抜きを!」
「毒抜きの方法は、これをこう……。よし、これで一安心ですわ」
「ふう……、なんとか命拾いしたわね」
「よ、よかった……!」
「何もかもが常識はずれすぎる……。これが『迷宮』なの?」
「皆の消耗状態を鑑みると、これ以上の探索は危険ですわね。
総員、出口に向けて前進!」
「あのやろう、懲りずに出てきやがった……!」
「プレール。射撃の基本は冷静に、よ。あれの手の内はもうわかっているわ」
「今なら、エーテルはあと一発ぶん撃てそう……」
「なれば、あの獣を集中攻撃!早急に沈黙させなさい!」
「な、なんとか街に戻れました」
「準備はできていると思いましたが、早計だったかもしれませんね」
「万能薬のテリアカβを買えないから、今まで以上に慎重な探索が必要だわ」
「なんにせよ、生きて戻れたのは幸運だった……」
「ブツブツ……(あのクチバシやろう、次は根絶やしにしてやる……)」
・続き⇩
https://kimagure-azuma.jp/play-sq3r-7/
・詳細なキャラ設定⇩
https://kimagure-azuma.jp/sq123r_chara/
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