・前回のあらすじ
B3Fの探索を順調に進めたアステリア。
その階層の半ばで、ムロツミのアガタを発見するも去られてしまった。
・前回⇩
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「長い水路ね」
「水路というより、川なのかもしれないわね。
橋もたくさん架かってるし」
「まずは少し先も見ておきましょうか」
「いきどまりかな」
「いえ、ここで岩石が採れそうですわ。調べてみましょう」
「む、これは宝石の原石なのでは?」
「そうみたい。キルシェ、これは何かわかる?」
「この結晶の特徴だと……トパーズあたりかしら」
「宝石が普通に採れるって、迷宮ってすごいんですね」
「加工すれば高値になりそうですが、そんな技術が無いので
原石のまま売るしかありませんね……」
「その点は仕方ないことですわ。
さて、西の橋と東の橋、どちらを渡りましょうか?」
「久々に占ってみようかしらね。あの星の位置だと……、『西が吉』か」
「この道の感じ……、どうやら階段が近そうですね」
「さらに、宝部屋とショートカットのおまけつき」
「キルシェさんすごい」
「キルシェの占星術も、まったく衰えていませんわね」
「褒めるほどじゃないでしょ。……まあ、嬉しいけど」
「中身はメディカⅡでしたね」
「熱帯気候でも薬品が完全な状態で保存されるとは、
この箱に使われている技術は非常に高度ですわ」
「これも、海に沈んだ街の技術なのかしら」
「さて、近道も開通できたことだし、街に戻って休憩しましょう」
「もう午前4時か……。
最近は、迷宮に滞在している時間が長くなりましたね」
「それだけ、あなたたちの実力が高まっているということです。
素晴らしい成長具合ですわ」
「うち、まだちっちゃい……」
「成長って言っても、そっちの事じゃないから」
「そうですわ。皆の成長ぶりを見込んで、やりたいことがあります」
「なんですか?」
「あのトカゲのFOEに挑んでみませんか?」
「げぇ、よりにもよって」
「なるほど。確かに丁度いいころ合いかもね」
「やっちゃいます」
「プレールさん、そんな軽いノリで……。
しかし、いつまでも避けてばかりにもいきませんしね」
「決まりですわね。では、仮眠と食事をとって備えましょう」
「回復薬はこんなもので、あとはお葉のナイフに印を付けましょう」
「初めて出会ったFOE……。どのくらいの強さなのでしょうか」
「今の我々ならば、油断が無ければ十分以上に渡り合えるはずよ。
みんな、今のうちに気を引き締めておいて」
「……ん?なんか変わったカードが売ってるわね。
ふうん、これも占いの道具なのか。こっちはあたしのお金で買うわ」
「きれいなカードですね」
「この22枚か、全78枚の内から1枚を引いて……なるほど。
これもなかなか面白そう。後で試してみましょうか」
「なんでしょう。ほんの少し前までは、あの鳥に大苦戦していたのが
信じられませんね」
「一本じゃなくても、一瞬で焼き鳥です」
「みんなの調子は最高ね。
そうだキルシェ。さっきのカードで占ってみてちょうだい」
「はいな。えーっと、この22枚をよく切って、1枚引く。
このカードは……、『THE WORLD』か」
「どういう結果なんですか?」
「正位置で引いたから、意味は『達成』『成就』『勝利』……。
すごい、べた褒めされているような意味ばかりだわ」
「なるほど、良い結果だったようですね。
しかし、何かが間違えば敗北があり得ます。注意してください」
「相変わらず、威圧感がすごいですね……」
「お葉、今のあなたならば対等以上に戦えるはずです。
気圧されてはなりませんよ」
「作戦はどうする?」
「わたくしと姉上は、いつものように防備を固めましょう。
お葉はまず相手の脚を奪い、キルシェは弱点を探りながらエーテルを」
「うちはどうしましょう」
「まずは煙幕を張り、それから重量弾。
煙幕が効かなくても、攻撃の方を優先して」
「よし、足を封じました!」
「幸先が良いですわね!」
「打撃は十分受けきれる……。問題は、毒の強さがどの程度か……」
「火はそこまで効いていない……。弱点は、氷か雷?」
「姉上、あの牙は危険です! ご注意を!」
「この位置では躱せない……。受けきるしかないわね!」
「くっ……! 毒を受けてしまったか」
「テュール様!」
「お葉、メディカかテリアカβを準備してください!」
「がふっ……!!し、しかし、この程度ならば動ける……!」
「あのとかげ野郎ォ……!!」
「プレール!姉上の命令は継続中です! 攻撃を続けなさい!」
「まずはテリアカ……、いや、メディカだ!すぐに手当てします!」
「アレの打撃と毒を合わせても、十分耐えきれるか……。
ふふふ、面白くなってきたじゃないの……!」
「テュール様、もう少しで手当てが終わりますから!」
「キルシェ!彼奴の弱点は見つかりましたか!?」
「はっきりしたわけじゃないけど、氷に弱そう!
このまま氷のエーテルを撃つ!」
「もう少しで仕留められそうですわね……。
速攻を掛けます!一気に畳み掛けなさい!」
「これでトドメ!」
「動かなくなった……?」
「やりましたよ!」
「ふう。毒が多少強いけど、それくらいだったわね」
「回復薬さえ十分持てば、あまり恐れる必要もなさそうですわ」
「猛毒で死にかけたってのに……。この王女様タフすぎでしょう」
「しかし、もしボクやキルシェさん、プレールさんが喰らったら
どうなっていたことか……」
「うち、ほんとにお役に立ててるのかな……」
「大丈夫よ。あなたがいるから、わたしは立ち上がれるのだから」
「地図北西部のFOEは、何かを守っているようでしたわね。
一度休息を取って、そちらも討伐しましょう」
「恒例のお肉タイムです」
「……ま~た変なものじゃないでしょうね?」
「あれ?でも、食材になるような生物を狩ってましたか?」
「プレール、そのお肉は?」
「さっきのとかげの―――」
「却下!! 持ち込んだ食料で済ませましょう!」
「危ないところでしたわね……」
「プレール、毒を持った生き物は危ないから、ね」
「はーい」
「この先ですね……」
「あ、キルシェさん、カードが」
「え?あっ、とと! ふー、買ったばかりだってのに……。
ん?このカードは……」
「おや、また占いですね。今度は何を引きましたか?」
「いや、これは占ったわけじゃないから。気にしないで」
「準備はできた?挑み掛かるわよ」
(正位置の『TOWER』。意味は『不測の事態』『損失』……。
……きっと意味なんか無いはず。……きっと)
「がっ……!!」
「し、シグドリーヴァ……!」
「姫様!テュール様!」
「ど、どうしよう! このままじゃお二人が……!」
「嘘でしょ……!?た、たかが占いなのに……!」
「こ、これしきの事で、このわたくしは斃れませんわ……!」
「すぐに治療を! ……!姫様、危ない!!」
「ぐっ……!!」
「まずい、今のダメージは……!」
(TOWER、不測の事態、損失……!)
「ぅ……、ま、まだ……」
「そ、そんな! 間に合わなかった……!!」
「お葉、ネクタルを!! 今なら間に合うわ!」
「野郎ォ!!」
「姫様!しっかり!」
「お、お葉……。助かりましたわ……」
「お葉、前!あいつが来てる!!」
「させるか下郎!」
「キルシェ……、今です!」
「わ、わかってる!」
「ふう……、なんとか命拾いしましたわね」
「アレの動き、ずいぶんと的確に見えたわ」
「弱ってる姫様に、確実にとどめを刺そうとしてましたからね……。
……キルシェさん、なんだか顔色が悪いようですけど?」
「……このカード、やっぱり手放すべきかな、って」
「え?でも、買ったばかりなのに……」
「さっき落としかけたカード、すごく不吉な意味だったの。
落としたまんまだったら、こんなことにならなかっただろうって」
「そんなことですか。なれば、それは忘れてしまいなさい」
「そうよ。占いはあくまで占い。
大事なのは、その結果をどう解釈して行動するか、よ」
(結果を、どう解釈して……)
「さあ、彼奴が守っていた何かを探しましょう!」
「何でしょう、これ?」
「これはもしかして、読んだ者に力を与えるという伝説の……!?」
「そんな書物が実在してるんですか?すごい貴重品ですね」
「そんなものがここにあるということは、この場所を訪れた冒険者は
我々が初めてということでしょうか」
「その可能性が高そうですね。では、そろそろ帰還しましょうか」
(あの時、旅立ちの時の占いは、一体どんな意味だったんだろう……?)
・続き⇩
https://kimagure-azuma.jp/play-sq3r-18/
・詳細なキャラ設定⇩
https://kimagure-azuma.jp/sq123r_chara/
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