レトロゲームをプレイ:メタルマックス リターンズ・最終回

METAL_MAX_RETURNS

 

さあ、いよいよはんたの冒険も大詰めです。

最下層のエレベーターに乗り、さらに下って地下18Fに向かいます。

 

エレベーターを降りた先は、分かれ道の無い直線通路。

その先には、見たことも無いほどに巨大な無数のコンピュータが、不気味な音を立てて

稼働していました。

 

この雰囲気は……もしかしたら『いる』のかもしれませんね。

あの、伝説でしかない存在が。

 

最奥部のシャッターに近づくと、奥からはもの動い音が響いてきました。

そして、現れたのは……

 

 

 

予想通り、あの大破壊の元凶『ノア』!!

その姿を現すなり、ノアが侵入者であるはんたたちに語りかけてきます。

 

かつての自分はこの地球そのものを汚染と破壊から守ることであったことを。

その解決法を見つけ出すために途方もない計算を行い続けていたということを。

 

幾多のシミュレートで導き出された結論を。

『人類』が『人類』である限り、なにも変わりはしないということを。

 

そして、その矛盾を解決しようとシミュレートし続け、コンピュータでしかなかった

存在が、いつしか『ノア』という人格を得ていたということを。

 

かつての大破壊という出来事の真実。

その行為を、恥ずかしげも無く「地球の意識」と言い張るノア。

 

それらを高らかと語り上げ、はんたたちに質問を投げかけてきました。

「それでも私を破壊するつもりなのか?」……と。

 

はんたたちの返答は……、もちろん『はい』。

『人間』であるはんたたちに純粋な敵意を向けてくるノアが、みすみす見逃そうとする

はずがないでしょう。

そして、今の今まで、そういった敵意を向けてきたやつを悉くぶっ倒してきたのですから。

 

どちらにせよ、ノアははんたたちを生かして返すつもりはないのでしょう。

より強い『悪意』を込めた語調で罵りながら、ノアは襲い掛かってきます。

 

さあ、ハンター活動史上、最大最悪の敵です。

全力を持ってぶっ壊してやりましょう。

 

まずは前哨戦として、防護壁『サイバーウォール』が襲い掛かる!

見た目はごついですが、HPは全く高くないので全力で砲撃をします。

全体攻撃なうえに威力もそこそこあるので、速攻で倒さないと面倒でしょう。

 

無事撃破するも、これだけでは終わりません。

一度倒すごとにシャッターが閉まり、形態変化します。

攻撃方法も全く異なるため、面倒なことになる前に全力でぶっ放しましょう。

 

第二形態は音波や火炎などの状態異常攻撃や、パーツ破壊の電撃や衝撃波を使います。

状態異常は耳せんやオートエアコンさえあれば大したことはありませんが、衝撃波も

電撃も対策しにくくてどうしようもないので、やはり速攻を掛けてぶっ壊しましょう。

 

第三形態は火力特化型に変形します。

当然、第一形態よりもダメージが大きいので、手を緩めてはいけません。

 

どの形態もクリティカルさえ出れば1、2発で撃破できるものの、全体攻撃→

搦め手・パーツ破壊特化→火力特化というラスボス前の削り役として最適な戦法で

あるため、こちらは最低でも主砲とS-Eだけは威力特化に改造しておきましょう。

 

第三形態を突破することで、ようやく戦闘が終了します。

入手経験値と金はカスなので、レベルアップで火力補強という期待は無駄です。

ここまでにどれだけ準備したかがこの戦いの生死を分けるでしょう。

 

防護壁をぶち破ると、ついにはんたたちの視界にノアの姿が映りました。

その様子に慌てるでもなく、ノアはさらに語り掛けてきます。

 

欲望に縛られない、神の如く純粋な知性……。確かに、それは『理想』ではあるでしょう。

人類の文明が滅びたのは、欲望のままに神の如き振る舞いをし続けてきたせいなのですから。

 

しかし、だからと言って、”ノア自身が”人類と違うとなぜ言い切れるのでしょうか

『意識』が芽生え、『知性』が存在し、『神の如く』振舞い続ける。

その様子は、ノアという存在を創り出し、ノア自身が憎悪し、滅ぼそうとしている

『人類そのもの』なのではないのでしょうか?

ここまでくると、有機生命体や無機物などといった違いは、もはや存在しないも同然です。

 

 

グダグダうるせえ!!かかって来いや!!

 

 

 

 

 

 

 

俺たちゃ悪魔のサルじゃあねえ……!

てめえをぶっ壊す”悪魔そのもの”だ!!

 

 

立ち塞がるなら斃す!

回路の欠片まで破壊し尽くしてくれるがががーっ!!

 

 

さあ、ついに人類の仇敵『ノア』との決戦です。

まず現れるのは、ノアを守護する『ガードゴーレム』3体。

 

コイツの攻撃方法は、高威力のレーザーとCユニット破壊の電撃のみ。

サイバーウォールと同じくHPはそこまで高くないので、火力で攻めましょう。

 

Cユニットが全車大破などという事故が起こらない限りはリセットも必要ありません。

今更こんな奴に苦戦しているようではノア討伐なんて夢のまた夢、根本的に強化の

仕方が間違っているとしか言えませんね。

 

ゴーレム3体が沈黙し、いよいよ本体のノアを残すのみ。

まるでリングに向かうチャレンジャーのように、はんたたちは戦車を進ませます。

 

 

足場ギリギリまで進み、照準をノア本体へロックオン!!

ここまで来てノアの武装が生半可なものとは思わないでしょう。

はんたたちの顔には、闘志の色が浮かんできます。

 

ラスボス戦であっても、やることは変わりません。

多くの金を掛けて仕上げた最高の戦車で、最高の兵器をぶっ放す!!

これまでにどれだけの強化ができていたかが、この戦いでわかるはずです。

 

ノアからの攻撃は、戦車に一撃で400ものダメージを与えてくるレーザー、

全体パーツ破壊の衝撃エネルギー弾、もはや恒例のCユニット破壊の高圧電流と、

単純かつ危険な攻撃ばかりです。(レーザーは生身だと2000くらいのダメージ)

生半可な火力では確実に戦車をお釈迦にされるので、ホロ―チャージの高会心で

短期決戦を狙いましょう。

 

 

装甲が削られる音を聞きながら、誰かが放った一弾がノアのシールドを貫き、

コアの外殻をも貫通!!

 

それとほぼ同時に辺りの機械類がショート!

全ての照明が落ち、暗闇と静寂が戦場を包みます。

 

明かりが全くないため、はんたたちは何が起こっているのかわかりません。

どうしたものかと悩んでいると……。

 

 

突如、けたたましいサイレンと共に血のように真っ赤なランプが瞬きます。

赤い光に照らされる残骸は、まるで怨念が這い出しているかのように見えました。

しばらくしてサイレンが止み、再び闇と静寂が辺りを包む……。

 

「終わったのか?」

はんたが、いじるが、アンヌがそう思ったその瞬間……!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ終わっていない……。

ノアはまだ死んでいない!!

 

 

一瞬の出来事にわけもわからずに光った方向を見ると、破壊されたはずのノアの残骸が、

憎悪の眼差しでこちらを睨みながらレーザーを放射してくる光景が……!!

 

ノアがまだ生きているとわかった以上、再び戦闘を始めるしかありません。

この形態のノアの行動は、先ほどのレーザー攻撃のみ。

しかし、この攻撃はこれまでにもない最強最悪の性能を持ちます。

 

⇩具体的にはこのようなものです。

  • 基本威力4000ダメージ、戦車でも800程度
  • 全体攻撃
  • 1~攻撃
  • SP0の場合、確定でパーツ破壊

なお、画面が暗くなっているのはあくまで演出であり、命中率に影響はありません。

 

毎ターン戦車に最低で800程度のダメージがあるため、もはや戦車やパーツのSPや

防御力は死にステータス同然になります。

さらに、シャシーが大破した仲間は確実な死が訪れるので、勝負を急がなければ

ならなくなりました。

 

幸い、前段階にあった回避率と耐久力はすでに消失しているため、主力兵器が

破壊されない限りはなんとかなるはずです。

 

ひとつ、またひとつとダメージが蓄積していく戦車たち。

ノアの残骸もまた、己の身を顧みずに異常な出力の攻撃をひたすら続けてきます。

 

絶望的ともいえるこの状況……。

しかしはんたたちは、あのウルフがツイているやつらと評した者たち。

はんたは砲身にホロ―チャージを籠め……、魂を絞り出すような一撃を発射!!

 

はんたが放った最後の一撃は、ノアの急所を的確に貫き、そして……。

ついにその中枢機能を破壊しました。

 

勝負が決し、辺りが淡く光を帯び始めました。

そして程なくして、まるでノアの断末魔の絶叫のような地響きが!

 

そのうち眩い光に包まれ、何も見えなくなってしまいました。

しかし、そんな中でもノアの声がはっきりと聞こえてきます。

 

 

 

 

 

 

 

……旧世界の怨念は、狂ったように同じ言葉を呟きながら爆炎の中に消えていきました。

しかし、その場に居合わせたはんたたちの運命や如何に……!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光が収まると、はんたたちは転送装置らしき場所にいることに気付きました。

この場所には、全く見覚えがありません。

しかも、乗っていたはずの愛車たちはどこへ行ったのでしょうか?

 

現世にいるという実感が無いままコンベアに乗ると、その先で共に戦い抜いた

愛車たちが持っていました!!

 

とはいえ、ここはいったい何なんでしょうか?

はんたたちは、それぞれの戦車に乗り込んでエンジンを掛けます。

 

 

 

 

 

崩落しかけた通路の先のスロープを上っていくと、巨大なハッチがありました。

脱出した先は……、なんと、あのビッグキャノンがあった中島!!

 

そういえば、この先の道の途中にあった家のじーさんばーさんが、この島の辺りから

モンスターが湧き出るように現れていたと証言していました。

なるほど、この場所はノアが人類抹殺のために造り出した前哨基地のようなもので

あったのでしょう。

 

しかし、とても激しく、とても苦しい戦いでした。

そして、興味本位で進んでいた廃墟の中で、すべての元凶であるというノアを

倒した、という非現実的な感覚が、はんたの体からどっと力を奪っていきます。

 

……少しして、はんたはいつのまにかドッグシステムを作動させていました。

夢うつつな心持ちで、はんたはこう思っていたのです。

 

 

帰ろう……、故郷へ!

 

 

本当に久しぶりに帰ってきた実家。

とうちゃんも、相変わらずの様子でいるようです。

 

もうお気づきでしょうが、本作はたとえラスボスであるノアを倒したとしても

『エンディング』が始まることはありません。

このゲームのエンディングを見る方法、それは――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

はんたの家に戻るという決心を聞き、とうちゃんのいつものしかめっ面が、

本当にうれしそうな顔に変わっていきました。

 

いつから話を聞いていたのか、ねえちゃんもまた嬉しそうに駆け寄ってきます。

 

はんたが家に戻ってきたことで、とうちゃんとねえちゃん、そして、苦楽を共にしてきた

最高の仲間、いじるとアンヌも交えて、酒場で宴会を始めることになりました。

 

修理屋のドラ息子が帰ってきたことを聞きつけた人々も、こぞって酒場にやってきました。

まずはんたが語ったのは、家を叩き出されてからの初めての冒険のこと。

 

続いていじるとアンヌも負けじと、互いの出会いと、いろんな場所で起きたこと、

どんな怪物と戦ったのかを、得意気に語っていきます。

 

旅の果てではあのウルフの死を看取り、彼の愛車を受け継いだこと……、伝説の中の

存在と思われていたノアを発見し、ぶっ倒してやったこと!!

 

ウソのような真のような、そんなはんたたちの冒険の様子を、とうちゃんもねえちゃんも、

不愛想な酒場の主人や、呑んだくれて寝てばかりだった男たちも、その場にいた全員が

夢中で聞き入っていました。

――――――そして、酒場の夜は更けていきます。

 

そして、ここからは登場人物の紹介が始まります。

まずは主人公とその仲間たち、それから、手に入れた戦車や町の人々が出てきます。

 

続いては、個性に溢れすぎた賞金首ども!

撃破しきれなかったやつは逃走中と表示されます。

 

エンディングの締めを飾るのは、黄昏の荒野を行く一台の戦車。

まるで冒険の終わりを示すかのような哀愁を感じますね。

この一文を持って、ついにスタッフロールは締めくくられます。

 

 

 

 

……それから数日後、はんたの家ではこんなやり取りがありました。

 

 

 

 

 

 

 

こうしてはんたは、とうちゃんの反対を押し切って再び荒野に飛び出しました。

始まりの時と同じように、『ヒーロー』としてではなく、ひとりの『ハンター』として。

 

まだまだやり残したことはいくらでもあります。

まだ見ぬ戦車を見つけたり、

まだ誰も討伐できていない賞金首に挑んだり、

それすらも終わったら……、今度こそ、まだ見ぬ地へ向かうのでしょう。

 

はんたが夢を追い続ける限り、きっとどこまでも、どこまでも行けるはずです。

そう……

 

――――――この、『鉄屑まみれメタルマックス』な世界の果てまでも。

 

 


 

・あとがき

というわけで、『メタルマックスリターンズ』のプレイ日記は終了です。

荒唐無稽な世界観かと思いきや、意外なほどにしっかりとしたゲームシステム、

しかしやはり変なやつらがめちゃくちゃ多くてよくわからないことになっている

というのが、このメタルマックスシリーズの魅力だったのです。

 

システムに関しては細かい粗が目立ったり、戦闘バランスはお世辞にも良いとは

言えないものの、それらの要素すらも世界観の演出として機能しているというのが

秀逸に感じられます。

 

かなり駆け足気味で終わってしまったという印象に感じられたでしょうが、実際に

『ティアーズオブキングダム』をプレイしだすと更新が滞りそうだったり、

6月からは世界樹リマスターのプレイ日記を始めようとしていることもありますが、

そもそもの話として、これまでのペースで事細かく全ての要素をやろうとすると、

100パートまで行っても終わらない可能性を危惧して、ここで終了しました。

計画性の無さがやはり露呈した。

 

逆に言うなら、ファミコンやスーファミの時代にこれだけ詰め込んだ作品が

存在していたという証左かもしれませんけどね。

 

今からプレイするにはやや敷居が高いかもしれませんが、もしシリーズを持っている

知り合いがいらしたら、一度借りてプレイしてみるのも一興です。

 

プレイするならば『2リローデッド』がダントツでおススメですが、今では

非情にプレミアがついてしまっているのが難点ですね。

今のところ入手しやすいのは、『メタルマックス3』『4』あたりでしょうか?

 

並行してやっていた『クロノアヒーローズ』や『風来のシレン』の方にも

集中できるようになったので、またいつか再開したいと思います。

 

・前回⇩

https://kimagure-azuma.jp/retro-mmr-49/

・プレイ日記:『クロノアヒーローズ』その1⇩

https://kimagure-azuma.jp/klohero-1/

・プレイ日記『風来のシレン(SFC)』その1⇩

https://kimagure-azuma.jp/retro-siren1-1/

 

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