・前回のあらすじ
吟遊詩人の何気ない言葉から、これまでの人物の正体に仮説を立てようとしたアステリア。
しかし、情報が足りないことがわかり、再び第3階層へ挑むのであった。
・前回⇩
https://kimagure-azuma.jp/play-sq3r-38/
第3階層のネタバレが含まれます
「耐火装備でも暑いものは暑いわ……」
「こればっかりは環境に慣れるしかないわね」
「あれ、いま水の音がしませんでしたか」
「確かに聞こえましたね。ちょうどこのあたりです」
「この環境で飲み水は貴重です。探してみましょう」
「怪しいのはこの苔の穴、壁の裂け目、あそこの岩の下かしら」
「普通に考えれば、この苔の穴にありそうですが……」
「火山地帯の溜水は猛毒になっている可能性があるわ。
ここはあえて上の裂け目よ」
「キルシェ、無理は禁物ですよ」
「へーきへーき。たいして高くないし、足場もちゃんとあるし」
「さて、お水は……!? きゃああーー!」
「キルシェ!?」
「こ、こうもりさん!?」
「しっかり!」
「お、思いっきり背中うった……。めっちゃ痛い……」
「頭部の怪我はなんとか避けられたようですね。危ない危ない」
「上には無いとなれば……、やはりそこの穴でしょうか」
「すごい量の苔ですね……。あ、奥に水がありました!」
「溜め池みたいだけど、一応流れはある。これは飲めるのか……。
そうだ。確かこないだ、銀の食器を買ったよね」
「銀の……? あ、なるほどね」
「どうするんですか?」
「銀は猛毒に反応して黒くなるので、これを水に浸けてみます。
……よし、この水は安全なようですね」
「この火山地帯で、これほど冷たい水が飲めるとは」
「そうですね。キルシェさん、一応打撲したところを冷やしましょうか?」
「大丈夫。そこまでひどく痛むわけでもないから」
「お水もくんでいきましょう」
「なるべく湧き出しているところから汲んでね」
「うっ……、すごい熱風です」
「風の元は……あそこですね」
「階段! この先に、フカビトとかいうのがいるの?」
「このさきはどうなってるのかな」
「少なくとも、より過酷な環境というのは間違いないわね」
「ま、まるでオーブンの中だわ……!!」
「消耗もより激しくなりますね……」
「脱水に注意してください。なるべく塩分と共に水分を摂るように」
「……巨大な空洞。こんな絶景が存在してるとはね」
「生命の危険が無いのならば、じっくりと堪能したいところでした」
「あっ、へんなきのこ!」
「いやな色合いですね……。間違いなく毒キノコですよ」
「……火山地帯のキノコか。炎は効くのかしらね」
「炎が効いてる……。こんなところに住んでるくせに」
「適応しているのは、あくまで環境だけということですね。
弱点を探り、しっかり突いていきましょう」
「巨象……!?」
「この消耗度合では勝ち目は薄い……。全員、撤退!」
「がはっ……! つ、強い!」
「ちっ! この狭さで突撃されては……!」
「ま、また来る……!」
「……ここは、ボクが囮になります。その隙に退路を」
「お葉! 命を捨てることは許しません!」
「捨て身であっても、命まで捨てるつもりはありません。……行きます!」
「退路は……あそこ! シグドリーヴァ、お葉を!」
「これだけ離れれば……! 糸を使うわよ!」
「……お葉、もう少しの辛抱ですよ」
「う、う~ん……」
「気が付きましたね」
「よかった……」
「もう、いっつもあんたは!」
「しかし、お葉のあの判断は適切だった。責めてはいけないわ」
「足の早いものが囮となり、他の者が退路を探す。
……私情に流され、そう指示できなかったわたくしが責められるべきです」
「……っ」
「……ボクたち、まだまだ未熟なんですね」
「そうね。この反省を踏まえて、再び挑みましょう」
「溶岩地帯に大量のFOEか……」
「……戦闘が終わったら、こちらに見向きもしなくなったわね」
「あのドラゴン、巣で騒がれるのが嫌いなのかしら。
逆に、戦闘をしなければ安全に通してくれるってことね」
「やさしいドラゴンさんですね」
「野生の生物にやさしさを求めるべきではないと思いますよ……」
「な、なにここ! すっごい広さ!」
「ここまでで一番広い空間ね……」
「……この気配?」
「?」
「……フカビト、でしょうか?」
「……ちょっと待ってて」
>キルシェは意識を術に集中させる。
……すると、無残に倒れる自分たちの姿が見えた。
「―――!!」
「……帰還しましょう。今の我々では手に負えないようです」
「え?そうなんですか?」
「姫様がそうおっしゃるなら……」
「焦ることはないわ。しっかり力を付けて戻ってきましょう」
「……決まりました。わたくしはパイレーツの才能にしましょう。
がむしゃらに剣を振るっても通用しないはずですからね」
「そういえば、この装置で開花した才能はもう変えられないのでしょうか?」
「いや、何日か休養したりとかするとまた変えられるんだって」
「正確には、開花した才能で覚えた技をすっかり忘れちゃうんだとか。
まあ、やり直しがきくのはありがたいわね」
「うち、ちんぷんかんぷんです」
「さて、あとはどの技を伸ばしていくか……。ここからが本題ですね」
「ボクたちも、一緒に修行し直しましょう」
「溶岩の中に小部屋があったんですね」
「も、もう勘弁して……。足の裏が限界」
「やれやれ、こんな危険地帯を走り続けることになろうとは。
……この扉、月の鍵のものね。どうしてこんなところに」
「……もしや、ここは」
「姫様。オランピアさんが来ました」
「やはり、か」
「”一柱”、ですって? ここに神様でもいるというのかしら」
「まったく、相変わらず涼しい顔してくれちゃって」
「うっ……」
「お葉?」
「なぜかはわかりませんが、……いつかの悍ましい悪夢を
思い出してしまって……」
「お葉ちゃん……」
「……あんたはひとりじゃないよ。そんな悪夢、みんなで振り払っちゃおう」
「そんなものは振り払うのではなく、打ち砕いてしまう気概を見せなさい。
ここまで来たら、もう引き返せないのだから」
・続き⇩
https://kimagure-azuma.jp/play-sq3r-40/
・詳細なキャラ設定⇩
https://kimagure-azuma.jp/sq123r_chara/
©ATLAS ©SEGA
コメント