・前回のあらすじ
100年もの間 何者も近づけなかったという大灯台に到達したアステリア。
港に帰還し、その噂で港を訪れた冒険者たちが貼りだしたクエストを見つけるのであった。
・前回⇩
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「この依頼は……!」
「我々以外にも、こうやって旅をする王女もいるのね」
「この方も、テュール様とシグドリーヴァ様みたいにお強いんでしょうか」
「まあ、実力が無かったらこんな依頼は出さないでしょうね」
「……姫様、この依頼は」
「その素晴らしき意志に感銘を受けましたわ!引き受けましょう!」
「ですよねぇ」
「いずれは国を率いる者同士、ここで交流するのも悪くないわ」
(この王女様も、のんびりしてるようで結構抜け目ないわね)
「え、みんなで行けないんですか?」
「あたしたちは、あくまで雇われる傭兵みたいなのね」
「となれば、依頼人側の戦力を見てこちらも人員を割きましょう」
「あの怪鳥に対抗できるとなると……」
「わたくしはもちろん参戦するので、プレール!お願いできますか?」
「うちですね。頑張ります!」
「シグドリーヴァ。プレールの事、よろしく頼むわよ」
「それじゃあ、出航の旨をあのおじさんに……」
「……。いえ、やはりプレールはここに残ってくださいまし」
「シグドリーヴァ、どうしたというの?」
「お葉!わたくしに同道しなさい!」
「え、ええ!?しかし、ボクなんかじゃ……」
「お葉。あなたの活躍、期待しておりますわよ。
それと姉上、こちらを預かってください」
「まあ、かまわないけど。二人とも、気を付けていくのよ」
(姫様……。今のボクで、できるだけのことをしないと。
でも、……)
「……もうあんな遠くまで。
そういえば、さっきなにを置いて行ったのかしら」
「中身を聞いていなかったわね。見ちゃいましょうか」
「ビックリ箱かな?」
「いや、これどうみても袋でしょうに」
「……!?」
「どうしたんですか?」
「な、なんでもないわ。……ただ不用品を置いて行ったみたい」
「そうでしたか」
(……シグドリーヴァ。貴女いったい、何を考えているの?)
「ではヴィクトリア王女、ベンジャミン殿、アルバート殿。
こちらから指示するまでは、先ほどの作戦でいきましょう。」
「みなさん、間もなく大灯台に到着します。準備を」
「ついに屋上に辿り着いたようですわね。
ヴィクトリア王女!わたくしが合図したら迷わず後列に!」
(でかい……!!でも、ボクには引けない理由がある!)
「素晴らしい号令ですわ!!お葉、我らも王女に続きましょう!」
「はい!! ……あれ?この道具袋、いつもと違うような……」
「古の大怪鳥、サエーナ鳥……!相手にとって不足はありませんわ!」
(ヴィクトリア王女は前衛……。サポートを的確にしないと危険か)
「ヴィクトリア王女!滑落の危険があるのでなるべく中央に!」
「この技を使えば、飛び道具が無くても何とかなるか……?」
「う……、速すぎる! ヴィクトリア王女!」
「あの速さでは指揮も間に合いませんわね……。
お葉、一手先を読みながら行動しなさい!」
「王女!奴の攻撃は速い!守りを疎かにしてはなりません!!」
「空を飛んでいるなら含み針が有効なはず……!
しかしこの強風……、当てられるのか?」
「ベンジャミン殿、王女が狙われています! 引き付けて下さい!」
「一撃もなかなか重いですね……。
回復薬のタイミングに気を付けないと……」
「あの動き……! 王女!貴女は後列に!
お葉、彼女を護りなさい!」
「は、はい! ヴィクトリア王女、こちらに!」
(一手先……。姫様は何かを感じ取ったのか?
いつでも動けるようにしないと……)
「来る……!! 前衛は直ちに防御態勢!後衛は全力で離れなさい!!」
「姫様!」
「王女の傍を離れてはなりません!全員、追撃に警戒を!」
「まずい!さっきのが来ます!!」
「……! アルバート殿、敵に近すぎます!距離を取りなさい!!」
「そんな……!アルバート殿が転落を……!!」
「あの場所の下は確か、バルコニーになっていたはず……。
しかし、救出している余裕はありません!残った者で戦います!」
「お葉!今こそ、あの連携を使うときですわ!」
「了解!いつでもいけます!」
「「クロススラッシュ!!」」
「いい動きでしたわ!」
「……!姫様、あの技が来ます!」
「ベンジャミン殿!貴方が斃れれば王女を護れません!
耐えてください!」
「まずい……!これ以上喰らえば危険です!どうすれば……」
「なればここは、高揚した士気を活力に換える奥義……、
今こそ使うべきですわね!」
「ベンジャミン殿!忠誠を誓った者のため、倒れた戦友のため……、
今こそ立ち上がりなさい!!」
「あんなに酷い怪我だったのに……!すごい!」
「くっ、引き付けられない……!? お葉、王女を護りなさい!」
「ヴィクトリア王女!うぐぅっ!!」
「お葉!」
「だ、大丈夫です!戦えます!」
「……!? この動きは……!」
「くっ!?敵の姿がわからない……! ……そこかぁ!」
「姫様!なぜヴィクトリア王女を!?
……まさか混乱している!?はやくテリアカβを……」
「……!? な、なんで回復薬がこれしか……!
とにかく、姫様を治療しないと!」
「……! わたくしとしたことが……。
ヴィクトリア王女、失礼いたしましたわ!」
「戦闘が長引くと危険です!一気に攻め立てましょう!」
「お葉!」
「連携、いきます!」
「ぐぁっ……! ま、負けられない……!もう、負けたくない!」
「姫様……、ど、どうしますか?」
(わたくしとヴィクトリア王女は気力が尽きかけている……。
敵はもはや瀕死……)
(アルバート殿は、なんとかそこの階段まで来れた様。
しかし、回復しているうちにあの羽根の嵐が来れば壊滅は必至……)
「なれば、もはや迷うことなどありませんわね。
お葉、期待していますわよ!」
「わかりました……!いきます!」
「や、やった……!?やりましたよ、みなさん!!」
「流石、わたくしが誇る臣下ですわ!」
「ヴィクトリア王女、貴女の号令がどれほど心強かったことか。
これからも、貴女の征く道に光あることをお祈りいたしますわ」
「ボクも、微力ながら力添えできて嬉しいです。
みなさんと共に戦えたことを誇りに思います」
「さあ、ヴィクトリア王女!胸を張って皆の下へ帰りましょう!」
「あの、姫様……。どうしてあの時、プレールさんではなくボクを
連れて行くとおっしゃったのですか?」
「あなたは先ほどまで、こう考えていたのでしょう。
……実力のない自分がわたくしと共にいてもいいのか、と」
「……!」
「お葉、人は弱くて当たり前です。
強さしか無い人間など、この世に存在するのでしょうか?」
「それは、そうかもしれませんが……」
「弱い者が敗者なのではありません。困難を目前にしながら、
何もせず膝を突くだけの者こそが真の敗者なのですわ」
「……ボクは、どうなんでしょうか?」
「あなたは今、挫折の前に倒れ込んでいます。
そして、そこから必死になって立ち上がろうとしているのです」
>シルヴィアはお葉に手を差し出した
「お葉。このシグドリーヴァ・ロタの手を取りなさい。
今度こそ、立ち上がるために!」
「……!はい!」
「みなさん、ただいま帰りましたわ!」
「聞いてください!大勝利でしたよ!」
「ああ、よかった!心配していたのよ!」
「なんだろ、お葉がなんとなく大きく見えるわ」
「うちもおっきくなりたいなぁ」
「はい、預かっていた回復薬。……もうこれっきりにしてちょうだいね」
「え!?や、やっぱり違う道具袋だったんですか!?」
「死闘に身を置いてこそ育まれる絆もありますからね」
「シグドリーヴァ。わたしに再び経験させるつもり?」
「姉上……。わかりました。
もう二度と、このようなことはしないと誓いますわ」
「……それでいいのよ」
「テュール様……?」
(お二人の過去にはいったい……?)
「……。はあ~あ、ずっと船を待ってて疲れちゃった。
さ、お宿でおいしいものを食べて、ゆっくり休みましょう」
「え?あ、そ、そうですね。ささ、姫様たちも」
「さっき、街の屋台でも山海の珍味フェアなんてのをやってたんですよ」
「いったいどんなものが出るのかしらねぇ」
「それは是非とも経験してみなくてはなりませんわね!」
(……あんなに強い王女様たちでも、割り切れないこともあるか。
そりゃそうよね。あたしだって……)
「あ、そうそう。
明日になったら、わたしとプレールとキルシェで灯台に行くわよ」
「……え?初耳なんですけど」
「さっき、星術師の人たちが是非って」
「え?いや、それでなんであたしに?ねえ、ちょっと……!?」
「……キルシェさん、今のうちに覚悟を決めておいた方がいいですよ」
・続き⇩
https://kimagure-azuma.jp/play-sq3r-14/
・詳細なキャラ設定⇩
https://kimagure-azuma.jp/sq123r_chara/
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