・前回のあらすじ
海王ケトスにあと一歩及ばずに敗北したアステリア。
自らの技を見直すべく、冒険を一時中断するのであった。
・前回⇩
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大航海マップのネタバレが存在します
「大海原よ!我々は帰ってきた!!」
「帰ってきたぁ!!」
「ユーンったら。久々だからすごいテンションね」
「テュール様って、どうしてこんなに船が好きなんでしょうか」
「国では趣味でボトルシップを作ろうとしていたくらいですからね。
憧れがあったのでしょう」
「波に乗ってざばーんってするのも楽しいですね」
「もっとぶいぶい言わせちゃいましょう」
「テュール様……。舵はやはりシグドリーヴァ様に任せていただけませんか」
「シギーはなんやかんや丁寧な操縦をしていたって思い知ったわ……。オエップ」
「ふたりとも、この程度で音を上げてどうするのですか。
しばらくは姉上が操縦すると決めたではありませんか」
「それはそうですけど……!
こんな船の残骸ばかり見せられちゃ不安にもなりますよ!」
「んー、まあ確かに、船の残骸がかなり多いわね」
「遺体は無さそうなので、乗組員は無事だとは思いますが……」
「いくつかの積み荷は無事みたい。回収してみる?」
「そうしましょうか。航海を続ければ、元の持ち主に渡せるかもしれません」
「テュール様、深いところにも箱がありますよ」
「あれは無理に取らなくていいわ。海に浮いているものを優先しましょう」
「結構な数がありそうですね。これは骨が折れる……」
「船に積むために氷で足場を作っておくから、回収はお願いね」
「うーむ……。回収してみると、夥しい量ですね」
「せ、戦闘でもないのにこの消耗は想定外なんだけど……!」
「比較的大きな交易船だったようですね。中身は何でしょう」
「届けるにしても、中を見るしかないか。
ここはプレールの勘に頼りましょう。プレール、お願いね」
「えーっと、それじゃあこれで」
「すごい!?これ胡椒の実じゃないの!」
「箱の刻印はどれも同じもののようですけど……、まさかこれ全部!?」
「そんなにすごいの?」
「物によっては、同量の黄金ほどの価値があるそうですよ。
……まさかこんなに手に入るとは思いませんでしたが」
「でも、下手に取引すれば海賊行為を疑われそうね。
開けてしまったこの箱の分だけいただいて、他は厳重に保管しましょう」
「う、うーん……」
「キルシェさん、だいじょうぶ?」
「ちょっと、船酔いと直射日光で具合が悪くて……」
「それはいけませんね。そこの島で休みましょう」
「あれ?ここは無人島ではないようですね」
「今年の干し葡萄?いいタイミングだったわね」
「食べてみれば、少しは落ち着くかな。さっそくいただきます」
「おお!素晴らしい味わいです!」
「この前のチーズみたいに、ワインに合いそうね」
「太陽の恵みのような品物です」
「こんなにおいしい干し葡萄、初めて食べたわ」
「お元気になるおいしさ」
「おばさん、ありがとうございます」
「す、すごい量ですね。本当にありがとうございます」
「帰るときのお土産候補ができたわね」
「ふう……。よし、かなり落ち着いてきた」
「キルシェ、もう大丈夫ですか?」
「うん、たぶん今までの疲れが出ただけ。
今貰った干し葡萄、もうちょっと食べてみようかな」
「すっかり夜ですね」
「そうね~」
「姉上、そこの島のサルがこちらを窺っているようですが……」
「あいらしいアイアイ」
「威嚇するでもないし、人に慣れてそうね。行ってみる?」
「おおおっ!? す、すごい勢いで……!」
「むっ、これは東国に伝わるというSUMOUのぶつかり稽古では?」
「なるほど、野生動物の筋力ならいい稽古になりそうね」
「シギーもユーンもなに言ってんのよ!?」
「おーよしよし」
「最初は驚きましたけど、本当に人に慣れているんですね」
「すごい、サーカスでしか見ないような曲芸まで……!」
「あら、もうこんな時間。そろそろ船に戻りましょうか」
「そうですね。お葉たち、そろそろ行きますよ」
「……迂闊だったわ」
「してやられましたね……」
「おふたりとも、どうしたんですか? ……って、これは!?」
「こ、こらー!! 人様の食料を!」
「うちのおやつ……」
「妙に人懐っこいのはこれのためだったか……!」
「錠前が綺麗に外されている。ここまで知恵を付けているとは……」
「さっきの胡椒の箱は何とか無事だったみたいね。
……昼間もらった干し葡萄はやられたか」
「発見が早かったおかげで、多少なりとも被害は抑えられたようです。
もう少し航行はできそうですね」
「おやつ……」
「海都に帰ったら、また買ってあげるから」
「はあ、あんのサルども……。ん?あれって、建物?」
「海図と羅針盤、と。古い航海記録はこれか。あの港の特徴……。
位置的には、アユタヤって街かな?」
「あれがそうですか。これでまた、海路が拓けたようですわね」
「今の食料でも十分辿りつけそうです」
「決まりね。このまま、あのアユタヤを目指しましょう」
「気晴らしの航海のつもりだったけど、まさか航路が拓けるなんてね」
「海図はこんなものか。早速、海都に戻って報告しましょう」
「なるほど、歴史の街……」
「ドックということは、造船場もあるのよね……ふふ」
「テュール様とキルシェさんがきらきらしてる」
「ちょうど休養中なので、少し観光するのもいいですね」
「そ、そこまでしていただけるとは恐縮です」
「……それって、こちらからの注文も受け付けてくださいますか?」
「ユーンが考えてること、当ててあげようか。
ドリルとか翼とか、スポットライトでライトアップとか考えてんでしょ」
「それと、途中で見かけた海賊船のように派手なペイントも、ですね」
「あ、あの、テュール様が笑顔のまま固まってますよ!?」
「て、テリアカβ……!」
「そっかー、まだ大工さんは忙しいかー。残念だったなー」
「姉上、流石に普段使いの船にそのような改造はやめていただきたい」
「……だって、かっこいいじゃない」
(今この場に船大工が居なくて本当によかった……!)
「さあ、思い切り遊べたので、そろそろ本格的に修行し直しですね」
「このアクセサリーは眠りに耐性が付くか。
これを全員分、最低でも後列の3人に持たせたいわね」
「採集部隊の方たちにも協力してもらいましょう」
~ それから数日後 ~
「敵の強化を衝撃に換えて攻撃する『リセットウェポン』に、
武器の属性を開放して攻撃する『エミットウェポン』が良さそうですね」
「ケトスは自己強化を使ってきたから、丁度いいわね」
「しかし、問題があります。この技の掛け声をどうするべきか……」
「いや、そこ?」
「おや?キルシェ。これはあなたからの影響なのですよ?ふふふ」
「わたしは、今までとあまり変わらないわね。
生存率を上げるために、見切りの技を伸ばしてみた」
「姉上が守りの要ですからね」
「攻撃に手は回らないから、そこは他のみんなに任せるわ」
「この短期間で大したもんだ。頑張りなよ、若いの」
「エメリィさん、ご指導ありがとうございました。
必ずや、この技を活かして見せます」
「わたくしからもお礼申し上げます。お葉、期待していますわ」
「気力の消耗を抑える『煙の末』、錯覚を利用して回避しやすくなる
『潜伏』の技……、あとは実戦で……」
「難しいことは考えません。まっすぐいってぶっ飛ばします」
「なるほど、火力に特化したのね」
「相手が強大であるほど闘志が沸く『ジャイアントキル』……。
まさしく、今回の戦いにふさわしい技ですね」
「ねえ、ユーン。あたしね、あの時やっと目が覚めたの」
「……」
「そしたら、ほんのちょっと先の未来が視える気がして。
とても不安定だけど、この力で、みんなを導いてみたい」
「……でも、そのためにあなたが命を捨てることはないわ。
それこそあなたの両親に顔向けできない」
「だから、”みんなで”未来を生きるために、『あの術』を改造したの。
意識を集中すれば、全滅する未来があるかどうかわかるように」
「この数日、それを考えながら戦っていたのですか?流石です」
「でも、本当に集中しないとわからないから、今回みたいな
親玉の部屋の前とかじゃないと使えないかも……」
「それで十分よ。……シグドリーヴァ、今の我々はどうかしら」
「……機は熟しました。今こそケトスに挑み、そして打ち勝ちましょう!」
・続き⇩
https://kimagure-azuma.jp/play-sq3r-34/
・詳細なキャラ設定⇩
https://kimagure-azuma.jp/sq123r_chara/
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