今回でゲームのレビューも3回目です。
ゲームの紹介ではなく、レビューにする基準を説明すると、
【何かしらの強い不満点がある作品である】ということですね。
初回の『ディスティニーコネクト』は【値段】、前回の『YⅡK』は
【値段以外】です。いやぁ、YⅡKは強敵でしたね。
なんで地雷原に突撃するような真似をするのかって?
おもしろそうなゲームだったら買うだろ?
誰だってそーする。オレもそーする。
そういうわけで、今回はこちら。
Atypical Games制作の『RADIATION CITY』です。
ジャンル:アクション/アドベンチャー/シューティング
お値段:2195円 (ニンテンドーeショップ)
ゲーム内容としては、汚染区域からの脱出を目指すゾンビ物の
オープンワールドサバイバルです。
これがオープニングです。主人公はある目的で、高い壁に囲まれた
汚染区域に飛行機で近づきます。
写真に女性が映っていることから、この女性を捜索に来た、といったところ
なのでしょうか?
ここで疑問形になったのは、ボイスどころか字幕すら存在しないため、
なぜ汚染区域の上空に侵入したか、この時点で全くわからないためです。
(各拠点に落ちてるメッセージを入手して、やっとストーリーが僅かにわかる)
そして、謎のタワーに近づいたとたん、いきなりエンジンが爆発。
汚染区域への不時着を余儀なくされます。
ムービーが終わると、ゲーム本編のチュートリアルが始まります。
※拡大図
なんだかさっそく、香ばしい感じがしてきましたね。
右の親指って・・・・・・。
『右スティックを動かして~』というメッセージではプレイヤーが
理解できないとでも、スタッフは思っていたのでしょうか。
余計な真似を・・・・・・。
インベントリと装備のチュートリアルで、ようやく主人公の顔が見えます。
(-ボタンの視点変更だと、背面しか見えない)
ここですでにツッコミどころが一つ。
不時着して放り出されたはずなのに、服に傷一つ無い。(耐久力がMAX)
・・・・・・というのは、初期装備だから仕方ないとして、
どう見ても汚染区域に行くための装備じゃないのはなぜか。
(Tシャツにジーンズ、運動靴のみ)
一応、この後のチュートリアルで武器と食料、汚染対策のアイテムなどが
手に入るとはいえ、せめて長袖のジャケットくらいは着ておけよ・・・・・・。
+ボタンでタブレットを起動します。
タブレットの機能は、マップを見たり、主人公のステータスを強化する
ことにも使います。いわゆるポーズ画面みたいなものです。
これはタブレットに記録されたメッセージなのですが、
このくらいはオープニングでほのめかすべきだと思うのです。
これが、タブレットの主人公のステータス画面です。
右側の実績らしきカウント、翻訳の雑さはよくあるレベルですが、
右下の『元気づけ』が気になりますね?
これを選択すると、タブレットが閉じられてゲームが再開されます。
初見では全く意味が分かりません。
言語を英語にすると、『Unstuck(離れた)』になってました。
無難に『Close(閉じる)』じゃダメだったのでしょうか。
(正確には『Unstick』。Unstuckは過去・過去分詞形)
そもそも、なにをどう誤訳したら『元気づけ』になるのだ。
google翻訳ですら『動けなくなる』と訳したんだぞ・・・・・・?
(グーグルさんも大概ねえ・・・・・・。)
コントロール設定の画面では、ボタンの配置が確認できます。
コンフィグなんて大層なものはありません。
しかし・・・・・・
チュートリアルの最中に、いかにも変更できるように言われます。
が、実際にできるのは左右のスティックの役割を入れ替える事のみです。
(デフォルトは左スティックが移動、右スティックが視点移動)
コントロール設定ではなくオプションで変更ですが。
この仕様はパッチ前提なのか?もしかして・・・・・・。
この主人公は、墜落のショックで能力が覚醒したのか、
『物理干渉フィールド』を常に展開しており、家具に近づいただけで
とんでもない勢いで震えながら浮かび上がったり、洋服タンスが
紙屑のように軽い動きで滑って倒れたりします。
どういうことなの・・・・・・。
次に、戦闘関連です。
敵はゾンビ(種類は多め)と野生の狼や熊です。
こちらを発見すると、凄まじい勢いで走ってきます。
しかも、大体はホバー移動で。
(主人公のダッシュの約1.2~1.5倍くらい?の速さ。
しかもモーションが適当で、棒立ちのまま滑ってくることも。)
こちらに無敵時間は全く存在しないうえに、場合によっては2~3発
殴られれば死にます。
3体くらいに囲まれて殴られれば、即死もあり得ます。
なお、主人公は素手だと10~20発殴っても倒せないほどの
もやしっ子です。
(武器にもよるが、近接武器だと2~5発で倒せる)
ゾンビ物ということで、もちろん銃系統の武器も存在します。
強さ的には、入手した時点で近接武器はゴミになります。
音が鳴るので、絶対に銃がいいわけではありませんが、攻撃速度が
段違いに速いです。
(弾がある限り遠距離でも一部を除いて3~5発ほどで倒せる。
ヘッドショットも有り)
軍事施設をきっちり探索していると、弾薬はすぐにいっぱいになるので、
余程乱射しない限りは十分間に合うでしょう。
ちなみに、このゲームはオートエイムが勝手に発動します。
オプションで変更することもできません。
初心者にもやさしい仕様と思うかもしれませんが、よく考えてください。
『勝手に、敵の方向に、カメラが固定される』のです。
しかも、絶妙に当たらない位置をターゲットすることもあります。
屋外や草原などでは探知に便利ですが、屋内などの狭いところでは
アイテムを探したいのに、別のフロアの敵に勝手に照準が合わさって
探索しづらくなるということです。
かといって、銃が当たらない部分がターゲットされたからと言って
近接武器を使おうにも、見た目以上にリーチが短いものばかりなので、
相当熟練してなければ一戦ごとに瀕死になるでしょう。
ゾンビの攻撃は、モーションが発生するとまず躱せませんので。
この仕様のおかげで、近接武器しか使えない序盤はかなり辛いです。
テストプレイしてないな?きっと。
最後に、アイテムについて少し。
このゲームのインベントリは、今の服装に依存して増減します。
なにも着ていない状態では所持可能数が『0』です。
バッグやリュックサックなどを装備すると、所持可能数が大幅に
増えるので、いかに大容量の鞄を確保するかが攻略のカギになります。
武器や衣服、一部のアイテムは耐久力が設定されていて、
耐久が0になると破壊され、無くなります。(アイテムは一部以外は残る)
アイテムを入れられるポケットがついた衣服、鞄の耐久が無くなると、
無くなった部位に入れていたアイテムをばらまいてしまいます。
ズボン系の装備は、当然インベントリ数が『2』に設定されているものが
ほとんどなのですが、場合によってはロケットランチャーや
ライフル銃をズボンのポケットに突っ込んでいる、
という現実的に考えるとわけのわからない状態になります。
ゲームだから仕方ないって?
グラフィックというか、世界観がリアル系だからどうしてもね・・・・・・。
武器とアイテムは使用ごとですが、衣服は被弾時と時間経過で
耐久が減っていきます。
武器は『ダクトテープ』、他のものは燃料などの対応した品物で回復します。
(例外は『缶詰』系のアイテムを開封できる『缶切り』)
衣服は修復不能なので、複数確保しておく必要があります。
衣服の耐久減少に関してはリアルっちゃあリアルだけどねぇ・・・・・・。
装備してなければ耐久は減らないのが救いですが。
アイテムは一部の拠点にある『保管ボックス』に入れるか、『車』を
調達し、トランクに入れることで保管できます。または、そのまま地面に
放っておくことも可能です。消費しない限りアイテムが消えないので。
保管ボックスは『24個まで』という制限があるので、
車を複数拠点に集めて倉庫代わりにするなど、どうしてもそういう
保管方法を強いられてしまいます。
しかも、保管ボックスは汚染した衣服などを浄化する機能もあるのです。
(浄化していない装備を着ていると、いずれ即死ダメージを負う)
バイオのように、各ボックスから引き出せる仕様とはいえ・・・・・・、
少なすぎじゃありません?
ツッコミどころ満載のゲームですが、ツッコみ切れない要素が多すぎるため、
そろそろ自己評価を。
―― 評価高 ☆ ◎ ○ △ ▲ × 評価低 ――
- ストーリー : △
- キャラクター : キャラ性は皆無
- システム : ▲
- 音楽 : × (そもそも警戒時のノイズのみ)
- ゲームバランス: △
- 値段 : △
全体的に荒々しい出来の凡作といった感じではあります。
ぶっちゃけ、面白さを感じる要素はあるものの、色々と『雑』です。
しかし、ゾンビ物のゲームというのは、凡作であってもハマる人には
ハマるものだと思います。
実際に、私はシステムにかなり文句は付けていますが、がっつり
ハマっていました。
本文に組み込まなかったツッコミどころとしては、
- ホーム画面のタイトル名が『島』になっている(本作は『街』)
- 画面右下の操作アイコンがいつの間にか消える
- 公共施設よりも学校の通路の方が広い(規模は公共施設が上)
- しゃがんでも通れないドアがある
- そもそもドアの高さが低すぎる場所がある
- 塀に向かって伸びるアスファルトの散策路
- 廃屋内の壁から枝が生えている場所が多い
- 崩壊してないのに屋根が貫通していて通れないドアがある
- カメラ移動の感度を一段上げると3倍くらい速くなる
- 銃弾が地面に当たると爆音が鳴る
- 敵を倒すとほぼ確実にハヴォック挙動が起こる
- ゾンビが鉄ラックの中でルームランナーをする(しかも無敵)
- 柵の向こうのゾンビがいつの間にか柵の上で走っている
これでも一部だけです。
あとは、ある程度ゲームが進むと、ゲームオーバーになったときに
わざわざタイトルのオープニングムービーから再開させられる
事でしょうか。(デスクリムゾンじゃあるまいし・・・・・・)
スキップはできますが、ワンテンポ置かないと高確率でフリーズします。
「大袈裟に言ってんじゃねえよ!」と言いたいかもしれませんが、
実際にこんな感じだったので仕方ないのです。
ゾンビゲーとしてはかなりアレな感じですが、『バカゲー』としては
なかなかレベルが高い作品だと思います。
意外と笑える要素はあります。
「ちょっと値が張ってもいい」という方はプレイしてもいいでしょうが、
そうでない方は購入しない方がいいかもしれません。
ゾンビゲー自体が賛否別れやすい題材ですからね。
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