・前回のあらすじ
見事に元老院のミッションをクリアしたギルド『アステリア』は、ついに迷宮奥地への
探索を許可されたのであった。
・前回⇩
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「さあ、いよいよ本格的な迷宮探索の始まりですわ!」
「まず衛兵の方に元老院の許可が下りたと伝えましょうか」
「何でしょうか?わくわく……」
「わざわざ渡そうとするくらいだから、きっといいものよ」
「ハンマーじゃない。しかも3つも」
「武器として使え、という感じではなさそうですが……」
「なるほどね。武器に特殊な印を付けるためのものか」
「ネイピア商会に鍛冶場がありましたから、そこに持っていきましょう」
「ふふふ……。これでようやくギルド『アステリア』の本格始動ですわ!」
「まずはこの階層の未踏破区域を埋めていきましょう」
「いきなり分かれ道ね」
「北と南……どっちがいいんだろ?」
「それでは、まず北を攻めて行きましょうか」
「資金が無いからアリアドネの糸を買えませんでしたが……。
大丈夫でしょうか?」
「最初の階層は出現する敵があまり変わらないそうだけど、
一通り地図を埋めたら街に戻りましょうね」
「……うわぁ、道が凄い枝分かれしてる」
「このくらいは迷宮では序の口じゃないかしら」
「見える範囲をざっと記録して、ひとつずつ行きましょうか。
まずは……、右後方の道を見てみましょう」
「あれ、ここ最初の分かれ道と繋がってる」
「まさしく天然の迷宮といったところですね。
この先は……広場になっているんでしょうか?」
「霞がかっててよく見えないわね。
北側の道も気になるし、そっちに行きましょ」
「この場所……何か気になりますわね」
「そーですか?あたしにはただの小部屋にしか思えませんけど」
「いえ、地図を見ると、ここの西側に空白があるわ。
調べれば必ず何かあるはず」
「あ、テュール様!ここ通れそうですよ」
「よくやったわ、プレール」
「思い返せば、この青い花が隠し通路の目印になっていたんですね。
……保護色になってるから、かなり見落としていそうな」
「隠し部屋に隠された宝……、今度は何が入っているんでしょうか」
「期待できればいいですけどね」
「これは……興奮剤のブレイバントと、鎧でしょうか」
「簡素だけど機能は悪くなさそうね」
「これはシグドリーヴァ様とテュール様、プレールさんが使えそうですね。
どうしましょうか?」
「なら、これはシグドリーヴァが使いなさい。
わたしとプレールはもうちょっと我慢するから」
「それでは、ありがたく使わせていただきますわ!」
「いいなー、もうちょっとお金さえあればなー」
「質素倹約……、贅沢は敵……」
「採集のための人材もなかなか見つかりませんしねえ……」
「あれ?こっちは行き止まりか」
「そうみたいですね。さっきの分かれ道に戻って……。
おや、そこの植物は……」
「山菜かしら?わたしは初めて見るものだわ」
「うちも……ちょっと見たことないです」
「プレールでもわからないものですか。では、少し味見をしてみましょうか」
「ま、待ってください姫様!まずボクが毒見してみますから!」
「……どうですか?お葉」
「かなり青臭さと苦みがありますが、いけそうで……うぐっ!?」
「……! お葉!」
「お、お葉ちゃん!?どうしたの!?」
「お、おなかが……突然おなかが……、うぐぅっ……!」
「ちょ、ちょっと、しっかりしなさいよ!」
「大変だわ。食べた直後だから、まだ何とかなるはず。
お葉、急いで水を飲んで吐き出しなさい」
「お、おぇえ……、げほっ。す、すごく気分が……」
「お葉。この食中毒用の解毒剤をお飲みなさい」
「プレール。メディカもこっちに」
「す、すみません。資金もまだ厳しいというのに……」
「身代わりにしてしまったようなものですから、この程度は些事ですわ。
さあ、ゆっくり飲むのですよ」
「見た目だけは食べれそうなのに、こんな毒があるなんて……」
「めもめも……しっかり覚えておかないと」
「落ち着いたら、一度街に戻りますよ。少し装備も見直しましょう」
「そうですわ!これを使えば武器を強くできるのですよね」
「なるほど、費用の他に武器に対応する素材も必要なんですか」
「とにかく魔物の素材とかを売っていけば、勝手にできるようになるわね」
「ダガーだと少し討ち漏らしやすいから、この槍を貰おうかしら」
「テュール様、かっこいいです!」
「今のうちにもう少し資金を稼いでおきたいですわね。
以前見つけた採取ポイントに行ってみましょうか」
「さて、ついにわたしの自己流剪定テクニックを見せる時が来たわね」
「王女様が自ら庭木を剪定するとか、うちの国ってフリーダムすぎよね」
「うん?もしかして、王宮のあの前衛的すぎる形の庭木って……!
テュール様、大丈夫なんですよね?任せてもよろしいんですよね!?」
「あら、まだひとつしか採っていないのに」
「それはそうですよ!片っ端からバラバラになってましたからね!?」
「でも、日付を跨ぐと元に戻ってるらしいから大丈夫だよ」
「採れなくなってしまったものは仕方がありませんわ。
今は探索に戻りましょう」
「ふむ、時間も丁度いいことですし、ここで小休止しましょうか」
「うちの田舎のお菓子、みんなで食べましょう」
「気が利くわね、プレール。あら、いいお味」
「あっ、これ昔よく食べてたお菓子だ。懐かしいな……」
「なんだか、迷宮の中にいるとは思えないほどいい場所ですね」
「ほんとうに、良い雰囲気です。
思わず死地であることを失念してしまいそうですわ」
「クエストで指定されていた素材はこれで全部ですね」
「報酬はテントだっけ?迷宮でキャンプでもできるのかしら」
「この仕事を終えて得られる達成感……、久方ぶりですわね」
「本当ねえ。ここ数年は大きな戦も無かったことだし、
このまま鈍ってしまうかと思ったわ」
「お二人とも、その若さでどれだけの修羅場を潜ってきたんですか……?」
「プレール様、うち、もう眠たいです」
「あら、もう深夜0時ね。そろそろ宿に戻りましょうか」
(迷宮を動き回ったり、戦ったりするのにもなんとか慣れてきた。
……あたし、強くなってるよね?父さん、母さん)
「おや?あそこの空間は……」
「あれは……、下層への階段じゃないですか?」
「いよいよB2Fね。装備の確認もしておきましょう」
「あれ、ここの壁も隠し通路だ」
「でも、こっちからじゃ無理みたい……」
「ふむ、位置的には南から回り込めるようですわね」
「そういえば探索していない広場がありましたね。
行ってみましょう」
「テュール様、これなんでしょう?」
「これは……」
(奇妙な形の紋章が回っている……どんな技術なの?)
「どうやら特殊な鍵が必要なようですわ。
お葉、この場所をしかと地図に記しておきなさい」
「隠し通路は開通して、ここは……採取ポイントでしょうか?」
「そのようですわね。さて、これでB1Fの地図は埋まりましたわね。
いよいよ我々は、B2Fに進路をとります!」
(……大丈夫、あたしは強くなっているんだって自覚がある。
王女様たちや、みんなだっているんだもの)
・続き⇩
https://kimagure-azuma.jp/play-sq3r-6/
・詳細なキャラ設定⇩
https://kimagure-azuma.jp/sq123r_chara/
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