創作論:キャラクターの性格_主人公編

フリー素材

私は一時期、フリーゲームを作っていたと言いましたが、フリー素材を

公開したついでに、過去の自分の反省を兼ねて創作に必要なこと

書きながら考えたいと思います。

 



『私はそう考えた』というだけなので、話半分で閲覧してください。

この記事では、かなり極端な例を挙げて解説しています。



 

それでは、本題に入ります。

シナリオ、マップ、操作方法、ジャンル・・・・・・ゲームを作るのにも、

かなりの要素が組み合わさっているものです。

その中でもやはり重要なのは、プレイヤーとほぼイコールの存在、

つまり『主人公キャラ』でしょう。

 

キャラメイクが前提のゲームは『プレイヤーが』主人公キャラなので

あまり問題はないかもしれませんが、日本産のゲームはジャンルを問わず

『すでに完成された性格の』主人公を操ってゲームを進めていく、

というものが大半です。

 

完成されたキャラを主人公に据える時、ここでまず考えるべきことは、

『プレイヤーが感情移入できるか』ということです。

 

とりあえず、以下の例をご覧ください。(ジャンルはRPGとする)

  1. 村の畑が荒らされているイベントが起こる(クエスト発生)
  2. 村人「少ししかお金を出せないが、犯人を捕まえてほしい」
  3. 主人公「あ?ざけんなよ!勝手にくたばれ!!」
  4. 主人公が村人を殺し、金を奪って立ち去る

 

極端すぎる例とは思いますが、こんなやり取りをクリアまで

終始見せ付けられるプレイヤーは、「このゲームはおもしろい!」

なんて感情を持たないでしょう。

 

それでは、このイベントを王道の展開にしてみます。

(魔王を討伐すべく仲間と共に旅をしている、というストーリーです)

  1. 村の畑が荒らされているイベントが起こる(クエスト発生)
  2. 仲間「ひどい有様だが、俺たちは先を急ごう。」
  3. 主人公「いや、村人にだって生活がある。なんとかしよう!」
  4. 村人「おお、ありがとうございます!旅のお方たち!」
  5. クエストを受け、畑荒らしの捜索を開始する

 

よくある展開ですね?

しかし、最初の例よりは主人公に好感が持てると思います。

 

主人公=プレイヤーの図式を考慮すれば、余程ねじ曲がった性格でない

限りは村人を救う選択をするはずです。

断るにしても、まさか殴り倒すなんて行動も起こさないでしょう。

断った後も、せいぜい「大切な畑が・・・・・・。」と言われるくらいです。

 

この例の主人公のキャラ付けは、『真っ直ぐで正義感が強い』です。

とはいえ、そのキャラ付けだけでクリアまで持っていくことは

まず『不可能』です

 

なぜならば、その性格を掘り下げることをしていないからです。

掘り下げが無い場合、以下のようになります。

  1. 困っている人がいる
  2. 主人公「俺がなんとかする!」
  3. 事件解決
  4. 主人公「またな!」
  5. 同じような展開がクリアまで続く

 

メインストーリーでこんな展開が続くと、まずプレイヤーは

投げ出すと思います。

これでは『展開があまりにも単調すぎる』からです。

 

そこで、ストーリーに起伏を持たせるため、序盤から少し進んだところで、

こんなイベントを用意します。

  1. 主人公はベッドで眠っている時に夢を見る
  2. 光の中から優しい声が聞こえ、直後に悲鳴。主人公が手を伸ばす
  3. 主人公が涙を浮かべながら飛び起きるシーン
  4. 主人公が「〇〇・・・・・・、俺は・・・・・・」と呟く
  5. 部屋の外で仲間が待っているシーンに移る
  6. 主人公はいつもの様子でみんなと会話し、旅を再開

 

たったこれだけでも気になる展開になり、充分伏線になるでしょう。

ただし、伏線を張ったからにはちゃんと回収する必要があります。

また、それとなく解を示しておくなどのフォローが必要ですね。

 

なので、その伏線の解を少しだけ示すためのイベントを作ります。

(メンバーは主人公、大柄な仲間A、理知的な仲間B、新しい仲間Cとする)

  1. 主人公は傷付きながらも、どこかで見たような仲間Cを助ける
  2. 仲間Cが主人公に疑問を投げかける
  3. その内容は「なぜ無理をして人助けをするのか?」ということ
  4. 回想シーン、仲間Cに似た少女が主人公にやさしく微笑みかける
  5. 主人公は暗い顔になって口を紡ぎ、少ししてやっと口を開く
  6. 主人公は「”守れなかった”で誤魔化したくないから」と答える
  7. 仲間Aが主人公の肩に腕を回す
  8. 仲間A「らしくねえだろ、バカヤロ!」
  9. 仲間B「あなたらしくないじゃないですか?」
  10. 仲間Cは主人公の心に傷があることに気付く
  11. 仲間C「私も同行します。少しでも、あなたを助けたいのです」
  12. 主人公は仲間たちに感謝し、いつも通りの表情になる
  13. 新たな仲間を加え、旅を続ける

 

このように、過去を匂わせることで、主人公のキャラ付けに

少し説得力が出たと思います。

 

それでは終盤近く、魔王の力の前に成すすべ無く倒れる人々を目撃し、

主人公が絶望するシーンからです。

  1. 主人公は自身の力が無いことに絶望し、宿の部屋で塞ぎこむ
  2. 仲間Cが主人公を呼びに部屋に入ってくる
  3. 主人公は追い出そうとするが、仲間Cは頑なに留まる
  4. 主人公が自身の過去を吐露する
  5. たった一人の家族を目の前で死なせた、という過去が判明
  6. 仲間Cが主人公の頬を平手打ちする
  7. 仲間Cは魔王を倒さなければ、よりひどい結果が起こると言う
  8. 仲間Aと仲間B、今までに助けた人々が部屋に入ってくる
  9. 仲間C「今ここにる人たちは、あなたが助けた人たちなんですよ!」
  10. その言葉を受け、主人公は今までの道のりを反芻する
  11. そして、自分の『本当の強さ』を悟り、立ち上がる
  12. 仲間たちと共に最終決戦に臨む

 

王道ながら、これは熱い展開です。また、

『眼前で家族を死なせてしまい、愚直なまでに人助けをするようになった』

・・・・・・と、主人公の性格の本質と弱さも垣間見ることができました。

長すぎても読むのが疲れると思ったので、掻い摘んで解説しましたが、

ご理解いただけたでしょうか?

 

では、ここまで見てくださったと信じて、まとめに入ります。

私が考える『主人公としてのキャラ付け』とは、

  1. 好感が持てる
  2. 感情移入ができる
  3. 性格に説得力がある
  4. 『弱さ』が描写されている

・・・・・・といったところでしょうか。

もちろん、設定やストーリーにもよりますけどね。この辺りは柔軟に。

 

創作をしているうちに、「主人公の設定が決まらない!」と思っている方も

多いのではないでしょうか。

僭越ながら、『王道だって立派な設定』であると進言します。

 

『王道である』ということは『いくらでも話を面白くできる』

ことでもあるのです。(もっとも、逆も然りですが。)

 

さて、ここまで見てくださってありがとうございました!

多少なりとも、参考になったでしょうか?

あなたの創作が、実りあるものであると信じて。それでは。

 

↓創作論第二弾:『スキル系の名前の付け方』

https://kimagure-azuma.jp/theory-name/

 

 


 

・お ま け (見なくても・・・・・・いいんだぜ?)

 

ホントは、『キャラクター設定』ということで一つの記事に

まとめたかったのですが、思いのほか大ボリュームになりそうなので、

仲間編、敵(人間)編、サブキャラ編と分けなきゃいけないかもしれません。

 

いんやぁ、大仕事になりそうね。(^q^)

私が説明下手なだけ?( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \

泣けるぜ。

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