私は一時期、フリーゲームを作っていたと言いましたが、フリー素材を
公開したついでに、過去の自分の反省を兼ねて創作に必要なことを
書きながら考えたいと思います。
『私はそう考えた』というだけなので、話半分で閲覧してください。
この記事では、かなり極端な例を挙げて解説しています。
それでは、本題に入ります。
シナリオ、マップ、操作方法、ジャンル・・・・・・ゲームを作るのにも、
かなりの要素が組み合わさっているものです。
その中でもやはり重要なのは、プレイヤーとほぼイコールの存在、
つまり『主人公キャラ』でしょう。
キャラメイクが前提のゲームは『プレイヤーが』主人公キャラなので
あまり問題はないかもしれませんが、日本産のゲームはジャンルを問わず
『すでに完成された性格の』主人公を操ってゲームを進めていく、
というものが大半です。
完成されたキャラを主人公に据える時、ここでまず考えるべきことは、
『プレイヤーが感情移入できるか』ということです。
とりあえず、以下の例をご覧ください。(ジャンルはRPGとする)
- 村の畑が荒らされているイベントが起こる(クエスト発生)
- 村人「少ししかお金を出せないが、犯人を捕まえてほしい」
- 主人公「あ?ざけんなよ!勝手にくたばれ!!」
- 主人公が村人を殺し、金を奪って立ち去る
極端すぎる例とは思いますが、こんなやり取りをクリアまで
終始見せ付けられるプレイヤーは、「このゲームはおもしろい!」
なんて感情を持たないでしょう。
それでは、このイベントを王道の展開にしてみます。
(魔王を討伐すべく仲間と共に旅をしている、というストーリーです)
- 村の畑が荒らされているイベントが起こる(クエスト発生)
- 仲間「ひどい有様だが、俺たちは先を急ごう。」
- 主人公「いや、村人にだって生活がある。なんとかしよう!」
- 村人「おお、ありがとうございます!旅のお方たち!」
- クエストを受け、畑荒らしの捜索を開始する
よくある展開ですね?
しかし、最初の例よりは主人公に好感が持てると思います。
主人公=プレイヤーの図式を考慮すれば、余程ねじ曲がった性格でない
限りは村人を救う選択をするはずです。
断るにしても、まさか殴り倒すなんて行動も起こさないでしょう。
断った後も、せいぜい「大切な畑が・・・・・・。」と言われるくらいです。
この例の主人公のキャラ付けは、『真っ直ぐで正義感が強い』です。
とはいえ、そのキャラ付けだけでクリアまで持っていくことは
まず『不可能』です。
なぜならば、その性格を掘り下げることをしていないからです。
掘り下げが無い場合、以下のようになります。
- 困っている人がいる
- 主人公「俺がなんとかする!」
- 事件解決
- 主人公「またな!」
- 同じような展開がクリアまで続く
メインストーリーでこんな展開が続くと、まずプレイヤーは
投げ出すと思います。
これでは『展開があまりにも単調すぎる』からです。
そこで、ストーリーに起伏を持たせるため、序盤から少し進んだところで、
こんなイベントを用意します。
- 主人公はベッドで眠っている時に夢を見る
- 光の中から優しい声が聞こえ、直後に悲鳴。主人公が手を伸ばす
- 主人公が涙を浮かべながら飛び起きるシーン
- 主人公が「〇〇・・・・・・、俺は・・・・・・」と呟く
- 部屋の外で仲間が待っているシーンに移る
- 主人公はいつもの様子でみんなと会話し、旅を再開
たったこれだけでも気になる展開になり、充分伏線になるでしょう。
ただし、伏線を張ったからにはちゃんと回収する必要があります。
また、それとなく解を示しておくなどのフォローが必要ですね。
なので、その伏線の解を少しだけ示すためのイベントを作ります。
(メンバーは主人公、大柄な仲間A、理知的な仲間B、新しい仲間Cとする)
- 主人公は傷付きながらも、どこかで見たような仲間Cを助ける
- 仲間Cが主人公に疑問を投げかける
- その内容は「なぜ無理をして人助けをするのか?」ということ
- 回想シーン、仲間Cに似た少女が主人公にやさしく微笑みかける
- 主人公は暗い顔になって口を紡ぎ、少ししてやっと口を開く
- 主人公は「”守れなかった”で誤魔化したくないから」と答える
- 仲間Aが主人公の肩に腕を回す
- 仲間A「らしくねえだろ、バカヤロ!」
- 仲間B「あなたらしくないじゃないですか?」
- 仲間Cは主人公の心に傷があることに気付く
- 仲間C「私も同行します。少しでも、あなたを助けたいのです」
- 主人公は仲間たちに感謝し、いつも通りの表情になる
- 新たな仲間を加え、旅を続ける
このように、過去を匂わせることで、主人公のキャラ付けに
少し説得力が出たと思います。
それでは終盤近く、魔王の力の前に成すすべ無く倒れる人々を目撃し、
主人公が絶望するシーンからです。
- 主人公は自身の力が無いことに絶望し、宿の部屋で塞ぎこむ
- 仲間Cが主人公を呼びに部屋に入ってくる
- 主人公は追い出そうとするが、仲間Cは頑なに留まる
- 主人公が自身の過去を吐露する
- たった一人の家族を目の前で死なせた、という過去が判明
- 仲間Cが主人公の頬を平手打ちする
- 仲間Cは魔王を倒さなければ、よりひどい結果が起こると言う
- 仲間Aと仲間B、今までに助けた人々が部屋に入ってくる
- 仲間C「今ここにる人たちは、あなたが助けた人たちなんですよ!」
- その言葉を受け、主人公は今までの道のりを反芻する
- そして、自分の『本当の強さ』を悟り、立ち上がる
- 仲間たちと共に最終決戦に臨む
王道ながら、これは熱い展開です。また、
『眼前で家族を死なせてしまい、愚直なまでに人助けをするようになった』
・・・・・・と、主人公の性格の本質と弱さも垣間見ることができました。
長すぎても読むのが疲れると思ったので、掻い摘んで解説しましたが、
ご理解いただけたでしょうか?
では、ここまで見てくださったと信じて、まとめに入ります。
私が考える『主人公としてのキャラ付け』とは、
- 好感が持てる
- 感情移入ができる
- 性格に説得力がある
- 『弱さ』が描写されている
・・・・・・といったところでしょうか。
もちろん、設定やストーリーにもよりますけどね。この辺りは柔軟に。
創作をしているうちに、「主人公の設定が決まらない!」と思っている方も
多いのではないでしょうか。
僭越ながら、『王道だって立派な設定』であると進言します。
『王道である』ということは『いくらでも話を面白くできる』
ことでもあるのです。(もっとも、逆も然りですが。)
さて、ここまで見てくださってありがとうございました!
多少なりとも、参考になったでしょうか?
あなたの創作が、実りあるものであると信じて。それでは。
↓創作論第二弾:『スキル系の名前の付け方』
https://kimagure-azuma.jp/theory-name/
・お ま け (見なくても・・・・・・いいんだぜ?)
ホントは、『キャラクター設定』ということで一つの記事に
まとめたかったのですが、思いのほか大ボリュームになりそうなので、
仲間編、敵(人間)編、サブキャラ編と分けなきゃいけないかもしれません。
いんやぁ、大仕事になりそうね。(^q^)
私が説明下手なだけ?( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
泣けるぜ。
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