・前回のあらすじ
敗北をバネに新たな技を見出したアステリア一行。
そして、誇り高き王ケトスへの再戦を誓うのであった。
・前回⇩
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第2階層以降のネタバレが含まれます
「戦闘中に回復しきれないと危険だから、メディカⅡを多めに買ったわ」
「キルシェ、ケトスには確かに炎が効いていたのですね?」
「うん、最後に破れかぶれで撃ったら、氷や雷より効いてたと思う」
「このファイアオイルっていうの、どう使うんだろ」
「姫様の技の発動に必要なので、今のうちに確認しましょうか。
えっと……これは武器に塗るだけでいいみたいですよ」
「それは戦闘の初めではなく、最後の追い込みで使うようにね」
「おっと、アムリタとネクタルはもう少し買っておきましょう。
……よし、確認も済みました。―――行きましょう」
「……いよいよですね。必ずや、彼を打ち破りましょう」
「火炎弾もばっちりです」
「あ、ちょっと待って。少しおまじないをしておきたいの」
「おまじないですか?わかりました」
(集中……。―――”なにも視えなかった”、か)
「では、作戦を確認します。姉上とお葉、プレールは前回と同じように。
わたくしとキルシェは今回覚えた技を中心とします」
「消耗してきた人が出たら、攻撃よりも回復を優先するように。
今回の先陣はわたしが切る。行くわよ」
「さあ、海王ケトスよ、酔いしれましょう! 血と鉄の舞うこの舞台に!」
「かっこいい……!」
「霧のカーテンです!」
「ええ、早速この技のお披露目ですわね」
「霧の盾よ! 茨となりて彼の者を貫け!」
「まぶしい!」
「効いている……!」
「声にエーテルの力を含ませることで事象に『命令』する技よ。
シギーの戦い方にバッチリ噛み合ってるわね」
「圧縮……、最善の未来は……そこ!!」
「あの巨体が吹き飛ぶとは……!」
「圧縮したエーテルを最適と”視えた”所に当てた。これならいける……!!」
「お葉! キルシェが倒れぬように補助を!」
「アムリタにはまだまだ余裕がある! このままガンガンやるわ!」
「氷の波!」
「前衛の体力は十分にある……。テリアカαを準備!」
「しまった……! また同じ技を!」
「裏をかかれた!?」
「……見切った!」
「流石です、姉上! しかし、わたくしは脚を奪われてしまいましたね」
「治療を!」
「……いいえ、このまま防御に徹します!
お葉、もしわたくしだけに何かあったならば、気にせず戦いを継続なさい」
「……わかりました」
「……そろそろ頃合いね。ファイアオイルをプレールに!」
「はい! ……準備完了!」
「ケトスよ、もう一つの奥義をお見せしましょう!焔の槍よ!解き放て!!」
「ようやく……ここまできたわね」
「まだまだいけます……!」
「しかし、ここまで追い詰められてなお気高い佇まい……」
「……」
「斃してしまうには、ケトスという存在は余りにも惜しい存在よ。
……しかし、彼の誇りある戦いのために、我らの総てをぶつけなさい!!」
「……!! お葉!」
「大丈夫、今倒れたのは分身です」
「え!? でも、本体は後列のお葉なんじゃ……」
「いわゆる変わり身の術というものです。また分身し直して……。
さあ、最後の追い込みですよ、みなさん!」
「……あたまのなかぐちゃぐちゃ」
「しまった……! 姫様を治療したいのにテリアカβが……!」
「さっきの言葉を忘れたの!? あれが彼女の覚悟よ!」
「もっと、もっと集中して圧縮……、これを最後の一撃に……!!」
「……ここだ! 業火のエーテルよ!!」
「あちち!」
「うぅ……。お、お葉、戦いの決着は?」
「キルシェさんの炎で、……たった今決着が付きました」
「……そうですか。キルシェ、流石です」
「……うん」
「……」
「正しき……未来? それはどういう意味なんですか?」
「ケトス殿!」
「ケトスさん……」
「もう、彼を眠らせましょう。……全員、黙祷を」
(……海王ケトス。世の王が皆、貴方のような方であったならば―――)
「あの扉の先が、深都への道なのね?」
「うちが一番乗りです」
「あっ、ちょっと!? ずるいわよプレール!」
「ほらほら喧嘩しないの。みんなで一緒に、よ」
「みんな元気だなあ……。……?あの、姫様。どうしたんですか?」
「お葉、彼は……ケトスはとても堂々とした方でしたわね」
「……そうですね」
「……人は何故、戦となれば誇りを捨て、どこまでも醜くなれるのでしょう。
魔物であるケトスは、最期の時まで気高く在り続けたというのに」
「……あの姫様。その……過去に一体何が?」
「……今は、お話しできません。未だ決着の着かぬものであるからです。
しかし貴女にならば、いずれお話ししても構わないと思っています」
「シギーもお葉も、何やってるの? 早く行きましょうよ」
「す、すみません。姫様、行きましょう」
(……戦が清廉潔白なものであるなどとは思わない。
しかし、あんなにも惨いことが許されるべきではないはずなのだ……)
「……くらいです」
「みなさん、足元にお気をつけて」
「深都……。いったいどんなところなのかしら」
「ようやく……なのね」
「……あれは光? こんな深海で、これほどの光が?」
「こ、これは……!?」
「すごすぎる……!」
「なんて幻想的な……」
「絵本の中みたいです」
「ここが……冒険の最終地点なのでしょうか?」
「わかりません。しかし、ケトスは深王に会えと言い遺しましたが……」
「オランピア……!」
「……何用ですか」
「せ、背骨……? な、なんで、背中が透けて……、え?」
「が、がいこつのお化け……!! ほんとうに出た……!?」
「……違う! あいつの体……、機械!?」
「……今までの違和感の正体、そして、キルシェの魔物であるという予想。
その姿が、その答えというわけですか」
「……なんですって?」
「あ、あんた!どういうわけなのよ!? まず説明するのが道理でしょう!?」
(……)
「じ、人類の……? 『主』とは……深王のことですか?」
「どんな人なんだろう……」
「……」
「”確約は致しかねる”……と、お伝え願えますね? ……オランピア」
「は、離せこのやろう!!」
「な、なによ!? 戦るってんなら戦るわよ!」
「プレール、キルシェ! 抵抗してはならない!」
「し、しかし!」
「戦うつもりならば、オランピアは得物を取り出すはずです。
しかし、今は違う。様子を見ましょう」
「磁軸……? そんなことわかってるわよ」
「ふん……、横暴なものだ。新たな風が吹くのがそんなに恐ろしいか」
「う……」
「みんな、大丈夫?」
「こ、こわかったです」
「……ただ海都に強制送還されただけのようですね。
深王からは”穏便に”済ませとでも指示されていたのでしょうか」
「……これから、どうすればいいんでしょうか?」
「皆、思うことは色々とあるでしょう。
しかしそれを考えるのは、ミッションの報告を済ませてからです」
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・詳細なキャラ設定⇩
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