・前回のあらすじ
謎の秘術により全滅を無かったことにしたアステリア。
反省を踏まえながらB2Fを進み、謎の少女オランピアとの邂逅を果すのであった。
・前回⇩
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「うわ!ムカデのお化けです!」
「お、お化けはお化けでも、大きいだけなら平気です!」
「や、やせ我慢はやめなさいよお葉。
あ、あんただって震えてるじゃ、な、ないの」
「くっ、みんな足を取られてしまいましたわね……!!」
「これはこれで嫌です!」
「これでは撤退もままならないわね……。
仕方ない。犠牲が出る前に、速攻で殲滅しなさい!」
「あ、あ、脚に、わさわさしたものがびっしりと……!!
こ、殺す……!こいつだけは殺す……!!」
「お葉!前に出過ぎです!」
「い、いけない!……ん?この魔物、もしかして?」
「……なるほど。あのムカデの大体の力量がわかったわ。
しかし攻撃の手を緩めないで!」
「なんだか拍子抜けでしたわね」
「足を掴まれたのはビックリしましたけど、意外と弱かったですね」
「酒場で情報を聞いた時は、あの鳥と同等の強さと思っていたけど……。
所詮は与太話でしかなかったのね」
「というより、あの鳥がおかしいだけだと思いますよ……」
「へ、平常心……。大丈夫、次は完璧に燃やしてやればいい……ブツブツ」
「あ、あの、キルシェさん……。大丈夫ですか?」
「キルシェがお疲れのようですので、ここで野営をしていきましょう」
「こうやってみんなでテントに入ると、家族で狩りをした時のことを思い出します」
「そうね。思えば、貴女と出会ったのもその時だったわね」
「テュール様とプレールさんの馴れ初めはそういうものだったんですか」
「そういえば、お葉はお姫様とどうやって知り合ったの?
いつの間にか臣下になってたってことしか知らないんだけど」
「それは……」
「山中で重傷を負っていたところを、わたくしが保護したのですわ。
雨に打たれ、夥しい血を流しながらも、よく生還できたものです」
「……ねえ、お葉。やっぱりあんた無茶し過ぎじゃない?
あの時だって、死んで恩を返すとか、そういうのは違うと思うわ」
「暗い話はそこでおしまい。もうそろそろお肉が焼けるわよ」
「い~感じに焼けてます」
「いやちょっと!いつの間にバーベキューなんてしてたんですか!?」
「折角ですので、軽く食事にしましょうか」
「……おいしいけど、なんか変わった食感。これ何のお肉なの?」
「さっきのカエルとかのお肉」
「 」
「そろそろいい時間ですわね。
みなさん、片付けが終わりましたら出立しますわよ」
「キルシェさん、あの……」
「うんだいじょうぶあたしがたべたのはカエルみたいなおさかなのおにくだから
けっしてあのぬめぬめのおにくなんかじゃないからそういうことなのよええきっとそう」
「お塩、足りなかったのかな」
(重症ね。まさかここまで苦手だったとは……)
「キルシェ、もう大丈夫なの?」
「……お見苦しいところを」
「あれ?あそこにあるの、扉ですか?」
「そのようですわね。行ってみましょう」
「上階とは違って、ここには星形の鍵が付いているようですね」
「位置的には小部屋か通路かわかりませんね。
ここもしかと記録しておいてください」
「なにこれ、水たまり?」
「見た目はそう見えるけど……。暗くて深さがわからないわね」
「先に進む前に、野営地点近くの袋小路を調べてみましょう」
「テュール様、え、えふおーいーが近いです……!」
「大丈夫。この距離でも、こちらから近づかなければ襲ってこないわ」
「……!宝箱!」
「ほんとだ!でも、FOEも近いです!」
「背後に道があります!全員、後退せよ!」
「む、先ほどのムカデが見えますわね」
「カエルもムカデも纏めて焼き尽くす……!業火のエーテルよ!」
「キルシェさんからものすごい殺意が……!」
「さっきのお肉、足りなかったのかな?」
「な、なんとか少しだけ気が紛れたわ。……で、これは?」
「剣でしょうか?それにしては刃の部分がなんだか……」
「お葉、見せてください」
「この液体に触れると痺れるような感覚が……。
どうやら、麻痺毒を仕込んだ刀剣のようですわね」
「毒を与えることを目的としているから、切れ味は期待できないわ。
しかし、戦略次第で使いようがあるといった所ね」
「姫様、気が付けばもう午前の3時です。いったん帰還しましょうか?」
「そうですわね。野営をしたとはいえ、連戦で消耗してしまいましたし」
「そろそろ弾薬も補充しないと」
「さっきの悪夢ごとシャワーで洗い流してしまいたい……」
「おっと、この品物はクエストで納入するものでしたわ」
「危なかったですね……。
次からは、酒場に行ってから売却しに来ましょう」
「2つ手に入れば新しい武器ができたかもしれないし、惜しいわね」
「ぶきで、ぶきうぎ……。ぷっ」
「……プレールさん?」
「なんでもないよ」
「マスターさん、ご指定の品物です」
「こんなものを釣りに使うなんて……正気を疑うわ」
「夜にしかいない魔物……。
逆に言えば、あの鳥のように昼しかいない魔物もいるんですよね」
「初めての階層では、そういうのも意識しないといけないわね」
「クエスト報酬のこの絵本、妙に興味をそそられるわね。
ふむふ…む…………くぅ」
「キルシェさんが倒れちゃった……!」
「少し目を通しただけで眠りに落とされるとは……。
恐ろしい絵本もあったものですわね」
「今日のキルシェはずいぶんと踏んだり蹴ったりねぇ」
「この様子ではしばらく起きれませんね……。
宿まで運んで、ボクたちも休みましょう」
「おっと……、再び相まみえましたわね。
みなさん!今こそ雪辱の時です!!」
「今度こそは殺れる。自分を信じないと……!」
「針ネズミみたいにしてくれるぜ てめぇ!!」
「集中……。今度こそ、受けきる……」
「まったく……、あんな痛い目見て死ぬのはもうごめんだわ」
「姫様!」
「かすり傷ですわ。お葉!目標を注視せよ!」
「さあ、大きな鳥さん!わたくしと遊びましょう?」
「王女様が注意を引いているわ!撃って!」
「ドタマぶち抜いてやる!!」
「ぬるい……!!」
「敵の体勢が崩れました!畳み掛けなさい!」
「やってやったぞくそったれがァ!!」
「最高に決まってたわよ!プレール!」
「や、やったんですよね?」
「死の恐怖を乗り越え、よくぞ雪辱を果たしました。
わたくしは、あなたたちのことを誇りに思います」
「……ま、死にたくないなら乗り越えるしかないからね」
「あ、もう正午になってますね」
「ちょうど野営地点に着きましたし、ここで昼食にしましょう」
「お肉も焼きましょう」
「まった。……そのお肉、何?」
「えっと、野鳥のお肉とか」
「大丈夫よ。人間を食べてそうなあの鳥のじゃないわ」
「……まあ、それなら」
「この水たまり……、底が泥になっていますわね」
「重装備だからならべく避けたいところけど……。
ここしか道が無いから仕方ないか」
「うわ、結構深いですね……。これは歩きづらい……」
「もしヒルがくっついたら、お塩をかければいいんですよ」
「ちょっと……!今言われたら気になってくるじゃないの!」
「水が豊富にあるせいか、ここからは湿地帯になっているみたいです」
「さきほど見えたFOEは泥濘を難なく越えていましたわね。
FOEの位置をこれまで以上に注意しなくてはならないでしょう」
「田舎の田んぼを思い出すなあ」
「そんないいものじゃないでしょうに、ここの泥だまりは」
「地図の位置からすると、先に進む道はこちらですね」
「さっきFOEが折り返してきた方は、何かありそうね」
「回復薬が少々心許ないので、一度帰還してから調べましょう」
「新しい品物、なかなか出てきませんね」
「採集地点にはめったに採れないものがあるらしいです。
それが手に入れば一気に増えそうですけどね」
「あのお婆さん、エメリィさんっていったけ。
採集部隊の方はどうなってるんだろう」
「最低でも自衛ができなければ迷宮で生き残れないから、
今はファーマーの子たちに戦闘技能とかを教えてもらってるの。」
「”急いては事を仕損じる”、ですわ」
(……そうだ、ボクもエメリィさんに特訓してもらおうかな)
・続き⇩
https://kimagure-azuma.jp/play-sq3r-12/
・詳細なキャラ設定⇩
https://kimagure-azuma.jp/sq123r_chara/
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