・前回のあらすじ
かつて共闘したギルド『ムロツミ』の末路を見届けたアステリア。
幼馴染の3人はかつての友情を確認しあい、再び深界へ赴くのであった。
・前回⇩
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第2階層のネタバレが含まれます
「ふう、FOEの追撃がしつこいですね」
「戦うにしろ、迂闊に挑むのも危険ですからね……」
「あ、衛兵がいる。あの人も避難してきたのかしら」
「そんなにきょろきょろしてどうしたんですか?」
「南ですか。確かに、地図の位置的にもそちらのようですね」
「情報提供に感謝します」
「我々は南側の探索を進めます。あなたも、決して退き際を見誤らぬように」
「異形のヒトデ……! 警戒しなさい!」
「厄介なことに、仲間を庇うヤドカリもいますね……」
「仲間を呼んだ、ということは……。全員、連携に警戒を!」
「まずは取り巻きから片付けなさい!」
「う……!? これは内臓……!?」
「早く振り払って!消化される!」
「ちっ……、まともに喰らえば手足ぐらい溶かされそうね」
「このやろぉ!!」
「見た目に違わず体力も高い……!」
「お葉は回復薬の準備をしながら石化を狙いなさい!」
「ダメだ、失敗……!」
「ヤバい、赤いのと青いのが揃った!来る!」
「赤いほうはもう瀕死よ!遠慮なくやりなさい!」
「わ、わかってる!業火のエーテルよ!」
「ここまで追い詰められるとは、B5F以来ですわね……!」
「手当が間に合わない……!このままでは!」
「くたばれオラァ!!」
「ようやく死相が視えた!喰らえ!」
「敵の沈黙を確認……! 我らの勝利です!」
「やれやれ……、とんだ化け物だったわね」
「お、お怪我はだいじょうぶですか?」
「酸の傷は痕になるわ。はやく手当てして!」
「お葉、メディカの残りは?」
「今使う分を除いて……、あと3つです」
「そうですか。では、次の敵の気配が近づいたら帰還しましょう」
「あ、衛兵さんです」
「きゃ!?ちょっと、そんなに揺さぶらないでよ!」
「ひどく動揺している……!? 落ち着いてください!」
「練度が足りぬと評されていても、並みの人間よりは戦闘の心得が
あるはずの兵士が10人もやられるとは……」
「これ以上の進軍は危険ね。帰還しましょう」
「よし、頼まれた買い物はこれで済んだか。……あれ、姫様?
どうしたんですか?」
「……? ああ、お葉でしたか。今、星を見ていたところです」
「星……? でも、まだ昼過ぎですが……」
「ふふ、太陽に隠されてしまっているだけで、空にはいつでも
星が瞬いているのですよ」
「しかし、どうしてまた?」
「……戦友のアガタを偲んでいたところです。
彼らは、二人で幸福になる道がきっとあったのであろう、と……」
「……」
「……お葉、我が国にはこんな言葉が伝わっています。
”悪しき魂は夜の闇となり、善き御霊は星となりて生者を導く”……と」
「だから、星を?」
「ええ。天の星々は先人たちが確かに存在していたという証なのです。
そしてそれは、今を息衝く我々とも繋がっているということです」
「……アガタさんは、星になれたのでしょうか」
「彼は暴走しがちなだけで、根はとても善良であったと思います。
ですから、きっと……」
「あの……、もしもの話ですけど、愛する者のために復讐をした人間は
悪い魂を持っているのでしょうか?」
「わかりませんね。死後を自覚できる人間など存在するのでしょうか?」
「そ、そうですよね」
「……わたくしが死した時、その魂は闇となるかもしれませんがね」
「え……?」
>シルヴィアは小声でそう言うと踵を返し、その場を立ち去る
お葉は何も言えないまま、その場に取り残される
「あの衛兵が言っていたのは、あのFOEのことなのかしら?」
「でも、衛兵だってFOEを躱しながら探索しているんでしょ?
あれの先にもっとヤバいのがいるってことなんじゃ……」
「……このまま南に行きましょう。みなさんを危険にさらせません」
「お葉ちゃん?」
(姫様……。貴女はいったい、何を抱え続けているんだろう……)
「おっと、お葉。ここに隠し部屋がありそうですよ。……お葉?」
「……え? あ、はい!どうしましたか!?」
「隠し部屋がありそうだって。行ってみましょう」
「こっちは1000エンが入っていたわ。なかなかね」
「むこうはなにかな」
「……! プレール、下がりなさい!敵襲!」
「あの化け物ヒトデとたくさんの赤いやつ……!」
「食うぞてめえらァ!!」
「プレールはそのまま弾幕を張りなさい!」
「お葉は親玉を狙って石化を!」
「ふう……。なんか、不自然なくらい魔物が増えてるような」
「オランピアは魔物を呼ぶ術を持っているようです。
もしかすると、我々が進むこの道の先に居るのかもしれません」
「中身は……雷術の起動符でしたね。消耗が激しいので、帰還しましょう」
「……!! 衛兵が!」
「全員、周囲に警戒しながら近づいてください」
「……もう、亡くなっています」
「この傷跡……魔物ではないわね。
魔物の仕業ならすでに食い荒らされているはず」
「魔物じゃないのなら……、まさか、本当にオランピアがここに!?」
「……なんで、こんなひどいことできるんでしょう」
「これは―――」
「シグドリーヴァ、どうしたの?」
「血痕……!この先に続いています!」
「この低い気温で、血がまだ生乾き……。殺されたのは、ついさっき?」
「おそらく、我々が来るというタイミングで殺害したのでしょう。
……これはオランピアからの警告ですね。追えば同じ末路を辿る、と。」
「オランピアは、おそらくこの先に罠を張っている。どうする?」
「……遺体を調べさせてもらいましょう。
オランピアの武器は何か、正体がわかるかもしれません」
「……」
「プレールさん……。ボクたちは周囲を見張りましょう」
「う……、おえ……」
「キルシェ……、無理をしないで。調べるのはわたしたちがやるから」
「……大丈夫。あたしだって、シギーやユーンの隣で戦っているんだもの」
「……わかりました。しかし、無理だと感じたらいつでも代わりますからね」
「……この厚さの鋼鉄板が綺麗に切断されている。
切れ味もそうですが、オランピア自身の筋力も異常としか言えません」
「……! ねえ、手に何か握っている」
「これは確か、アーモロード兵の記章?」
「……取りましょう。せめて、この者の名を呼ぶために」
「……彼は、最期に何を想ったのでしょうね」
「こんなものがそんなに大事だって言うの?
生きていなきゃ、誰にも自慢なんかできやしないのに……!」
「彼にとって、その命に匹敵する栄誉だったのでしょう。
……そうでなければ、最期の瞬間までその手に握り続けるなどできません」
「……お葉、プレール。……終わったわよ」
「ご遺体は……どうしますか?」
「まさか棺桶ごと引きずって戦うわけにもいかないわ。
一度、海都に戻って遺体を引き渡しましょう」
「……」
「姫様、無理を言ってその記章を借りてきましたが……」
「我々は、無念の内に斃れた兵たちと共に戦っている。その決意のためですわ」
「……そうね、行きましょう。
オランピアを捕えぬ限り、何も終わりはしないのだから」
・続き⇩
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・詳細なキャラ設定⇩
https://kimagure-azuma.jp/sq123r_chara/
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